カスミソウ Ⅱ (ページ7)

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ケイタくんのおかげで
朝から泣かされてしまったから
切り替えるために顔を洗ったあと、
ダウンを羽織って外に出た。

やっぱり外の空気は肌を刺すように冷たくて
少し歩いて、近くのベンチに座った。

1人になって思い出すのはやっぱり昨日のこと。

男の子のオーディション番組に女が出るということは
いくらジェンダー平等と言っても
世間に認められるまでには
きっとまだまだ時間がかかる。

それでも昨日の現場には私を
応援してくれている人もいたんだ。

私の努力次第ではきっともっとたくさんの人に
認めてもらえるんじゃないか

そんなポジティブな考えができるのはきっと、
ジウンオッパや、ケイタくんの言葉のおかげだ。

後でジウンオッパに、ちゃんとありがとうって言わなきゃ

そう考えながらはぁっと白い息を吐いた。

外も明るくなってきて
少し賑やかになってきたプラネットキャンプ。

外から戻って真っ先に向かったのは
Kグループのみんながいる宿舎棟だった。

すれ違う練習生とおはよーっと挨拶を交わしつつ
ベクドアチームの部屋に向かう。

でもジウンオッパはまだ起きてないかもなぁ

と思って歩いていると
見慣れた後ろ姿。

「！！ジウンオッパ！！」

起きてた！！！

振り向いたジウンオッパにそのまま
走って飛び込む。

かなりの勢いでもよろけずに
しっかり支えてくれた。

ジウン「おっ、どしたの？おはよう」

「オッパ、…ありがとう…ほんとに、ありがとう」

ジウン「ふふっ、昨日のこと？」

「うんっ。オッパに話して心が軽くなった。
…それに昨日部屋まで運んでもらって…」

ジウン「まさかあのまま寝るとは思わなかったなぁㅎㅎ」

「ごめんなさい…重かったよね…？」

ジウン「ふふっ、うん。」

「え"……」

ジウン「嘘嘘ㅋㅋ心配になるくらい軽かったよ
A、少しは楽になった？」

「うん。オッパのおかげで、気持ちが軽くなった。
ほんとうにありがとう」

ジウン「これ前にも言った気がするけど、
辛くなったらちゃんと相談してね？」

「はい…肝に銘じます」

ジウン「そんな韓国語どこで覚えたの…ㅋㅋ」

寒かった体と心はすっかり暖まった。

ユジン「ん〜A〜？」

ちょうど部屋から寝起きのぽやぽやユジンが起きてきた。

「おはようユジン」

ユジン「んふ、おはよう〜」

ジウンオッパはまた私とユジンをまとめて抱きしめてくれた。

きっと世界一あったかい朝だった。