カスミソウ Ⅱ (ページ5)

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・ジウンside ページ5

洗濯室をはじめとするいろんな場所を探しても
Aはいなかった。

もう部屋に戻ったかもと思いもう一度部屋を訪ねても
やっぱりAの姿はなかった。

すっかり寝静まった宿舎でまだ探してない場所…

ジウン「……練習室？」

まさかとは思ったけど足は自然と
練習室のある階に向かった。

俺たちのチームと近いKTLチームの練習室。

外から見た感じ電気はついてないけど…

ジウン「A、、いるの？」

ドアに手をかけてゆっくりドアを開けると
真っ暗な部屋から鼻をすする声が聞こえた。

電気をつけると練習室の隅に体育座りをして
顔を埋めたAがいた。

ジウン「A…」

「オッパ…」

顔を上げた彼女の目には光るものがあって
思わず駆け寄ってそのままAを抱きしめた。

「うぅ、、オッパ」

抱きしめた瞬間俺の胸に顔を埋め
声をあげて泣き始めたA。

Aはほんとは強くなんかないんだ。

周りに心配をかけないために
強いふりをしているだけだった。

さっきまで笑顔だったAが
ほんとは溜め込んでたんだと思うと
こっちまで胸が苦しくなった。

「…ほんとはっ、怖かった……こうなるって、分かってたけど
……あの時、自分がここにいる理由がわからなくなりそうでっ…
私がここにいて、誰が喜ぶんだろうって…」

ジウン「そんなこと言わないで…
俺はAがいてくれて良かったって思ってるよ？
辛いとき、Aの笑顔を見ると癒されるし、Aは確実に僕らを明るくしてくれてる。」

「っ…オッパ」

ジウン「Aが辛いの、気づかなくてごめんね…
Aは笑顔だから大丈夫って、思ってた。」

「ううん、ありがとう…見つけてくれて。
オッパは、私が辛い時いっつも1番に駆けつけてくれるね」

少し笑顔の戻ったAの頭を
そっと撫でるともう一度ぎゅっと抱きついついてきた。

ジウン「ん？もうちょいこうしてる？」

「うん。オッパにこうされてると安心する…」

そのまましばらくAを抱きしめていると、
Aは泣き疲れたのか寝てしまった。

切なそうなその寝顔を見て

この子を守りたい

その思いがより一層強まった。