カスミソウ (ページ42)

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ハオママハオside ページ42

「オッパ……」

大きな目に涙を沢山ためて
そう言いながらAが練習室に入ってきたのは

お昼の休憩が終わり
練習を再開しようというところだった。

ハオ「えっ、ど、どしたのA??」

お昼の前まで元気だったAの涙に
混乱せざるをえなかった。

他のメンバーや、Kグループの人達まで
Aのことを心配そうに見ている。

ハオ「ケイタ、練習任せてもいい？」

ケイタ「うん。分かった」

ケイタに練習を任せて
Aを練習室の角に連れていく。

ハオ「おいでA」

あぐらをかいた膝の上にAを乗っけて
抱きしめながらとんとんと背中をさすった。

一緒に練習生をしている頃から
辛いことがあったり泣きたいことがある時
Aはこうして僕のところに来る。

その度に僕はこうして
Aのことを慰めていた。

昔は辛いことも悲しいことも
全部自分で抱え込んでいたAだから

こうして僕の所に来てくれるだけでも
成長なのだ。

ハオ「どうして泣いてるのか
オッパに教えてくれる？」

「……」

ハオ「…A？」

僕の肩に顔を埋めたままAは言った。

「……ユジンと喧嘩したっ」

ハオ「…………えっ？、喧嘩？！」

友達なら喧嘩して当たり前

確かにそれはそうなのだが、
Aとユジナの場合それは少し違った。

比較的大人しくて、穏やかなユジンと
明るくて優しいA。

2人はものすごく波長が合うのか
事務所内でも群を抜いて仲が良かった。

…………喧嘩ひとつしないほどに。

だからAが言う喧嘩というのが本当なら
2人にとって初めての喧嘩になる。

いい経験かもしれないけど、
ずっと見守ってきた僕としては
少しヒヤヒヤもする。

……仲直りできるかな？とか。

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