カスミソウ (ページ18)

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何度が来たことのある
ユジンの部屋。

「ユジナっ……」

食堂から小走りできて少し切れる息を整えながら
彼の部屋に入る。

部屋は電気がついていなくて暗かった。

そっと電気をつけてユジナのベッドまでいく。

ユジン「はぁ……はぁ……」

「ユ、ユジナっ！」

ベッドには息の荒い辛そうなユジンが
うつ伏せになっていた。

「ユジナ、ちょっとごめんね」

ユジンのおでこに手を乗せると
ものすごく熱い。

「ユジナ、すっごく熱い……大丈夫?!」

ユジン「んぅ……っ！Aっ……？」

私がいることにびっくりしたのか
いつもより弱々しい声で私の名前を呼ぶユジン。

「ちょっと待っててね」

私は急いで自分の部屋に戻り
念の為に持ってきていた薬や冷えピタなどを持って
彼の部屋に戻った。

「ユジナ、ちょっと起き上がれる？」

ユジン「ん……」

彼の身体を起き上がらせ、
とりあえず持ってきた解熱剤を飲ませる。

そのまま彼のおでこに
そっと冷えピタを貼った。

ユジン「んっ、冷たい……」

「ユジン、もう寝ていいよ」

ユジン「ありがと……」

薬が効いてきてさっきよりは楽になったのか
ユジンの息遣いもそこまで荒くはなくなった。

寝っ転がった彼にそっと布団をかけてあげると
その手を軽く握られる。

ユジン「なんでっ、来てくれたの……？」

「ギュビンオッパから聞いた。……ねぇユジナ
どうして言ってくれなかったの？」

ユジン「Aに、心配かけたくなかった……
Aの練習の邪魔になることはしたくなくて……」

「でも、言って欲しかった。
ユジンはいつも私が風邪ひいた時
そばに居てくれるのにユジンが辛い時そばにいられないの、悲しいよ。」

ユジン「うん……ごめんね……」

「これからは言ってねちゃんと。」

ユジン「うん……ありがと」

「明日ちゃんと診てもらって、早く元気になって」

ユジン「A、後ちょっとでいいから
ここにいてくれない……？」

「うん。」

ユジンは本当は甘えん坊で寂しがり屋だ。
だから今だって凄く心細かったはず。

そばにいるだけで彼のためになるならと
快くひきうけた。

今はこの部屋に誰もいないし、
ルームメイトの人にも迷惑にならないだろう。

久しぶりに見たユジナの寝顔は
相変わらず赤ちゃんみたいで可愛い。

「ふわぁ……」

彼の寝顔を見ていたらなんだか私まで眠くなって
気付けば私の意識は途切れていた。