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私は自分の素直な気持ちを3人の前で話し始めた。
「私ね、どうしても周りのことばっかり考えてしまって・・・。
自分のせいで、悪い方に向かってしまうんじゃないかとか、私が邪魔なんじゃないかとか。
私ができたからお父さんたちは結婚して、あんなにドロドロになって・・・。
私が居なかったらって、何度も何度も考えた。
将ちゃんとの未来だってそう。
私の存在が将ちゃんの夢を邪魔するんじゃないかって。
どうしても悪いほうにばっかり考えてしまって。
でも、それでも将ちゃんが好きだから、どうしていいのかわからなくなって、どんどん暗いほうにばかり・・・。
沢山、傷つけて、本当にごめんなさい。」
将吉
「・・・俺だって、どうしてそんな風に考えてしまうのかって、その理由を知ろうともしなかったし・・・。」
勇人
「姉ちゃんはいつも自分ばっかり責めすぎてんだよ。
母さんだって、姉さんが生まれたことを誇りに思ってるじゃん。
いなくていい存在なんかじゃないのに、自分で抱え過ぎだって。」
「だけど・・・。
あの時、お父さんに責められて、あんな顔見たら・・・。
私がお父さんを変えたんじゃないかって。
怖くてたまらなかった。」
父と絶縁した日。
父は思い通りにならなかった私を責めた。
思いやりが無いって。
子どもの気持ちも考えずに自分勝手に責め続ける父の方が思いやりなんて無いのに、ただ責められて、私はまた自分の存在を恨んだ。
勇人
「あいつの言うことは・・・ただの子どもじみた、どうしようもない奴のひがみだから。
姉ちゃんが苦しむことじゃない。
俺は姉ちゃんが居てくれたから、こうやってまともに生きてるし。
俺には最高の姉ちゃんだから、あいつになんか負けるな。」
「勇人・・・」
敬浩
「お前らの親父さんはほんとに狂ってるなって、俺だって思ってたし。
そんな人の言葉で傷つく必要ないから。
Aのことは俺らがわかってるから。」
「敬ちゃん・・・」
ずっと苦しかった。
あの日言われた言葉が心に刺さって、幸せな未来を願うことをためらっていた。
勇人
「姉ちゃんはもう十分縛られてきたよ。
素直になれって。」
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ゆゆこ - イッキ読みしてしまいました…困難に直面しながら成長していく姿が苦しくも、美しくも思えました!本当に面白かったです!これからも頑張ってください! (2017年7月26日 17時) (レス) id: 14f1ba37fb (このIDを非表示/違反報告)
moon(プロフ) - 咲奈さん» 咲奈さん、たくさん読んでくださってありがとうございます!この作品は一番苦しくなる作品なので、私も書きながら辛くて、途中で投げ出しそうになりました。大ファンなんて恐れ多い!!でも、嬉しいです。ありがとうございます。 (2016年10月18日 0時) (レス) id: b186001784 (このIDを非表示/違反報告)
咲奈(プロフ) - めっちゃ泣きました!胸が苦しくなったりほっこりしたり…素敵な作品でした!もうわたし、moonさんの書く小説の大ファンです!!! (2016年10月17日 17時) (レス) id: a448308bc0 (このIDを非表示/違反報告)
moon(プロフ) - あやさん» あやさん、コメありがとうございます!気に入って頂けて嬉しいです♪私も結構苦しみながら書きました。読んで頂けて嬉しいです。 (2016年10月1日 1時) (レス) id: b186001784 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 凄く素敵な小説です!涙が出ました。どうなるのかとドキドキしながら読んでました。ハッピーエンドで良かったです!ほっこりしました! (2016年9月30日 15時) (レス) id: 8052e57fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:moon | 作成日時:2016年8月16日 1時