大切な笑顔２ (ページ28)

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「あ、また登坂君が出てる・・・」

あの日に話してた通り、映画の番宣の為に毎日のように見る登坂君の姿。

「映画・・・見に行ってみようかなぁ・・・」

青春映画って思ってた。ヤンキーの友情的な・・・。

でも、違ったんだ。

「・・・・」

胸が痛かった。

「あんな青春、一緒に送りたかった・・・」

話しかけることもできず、ただ遠くから見てるだけの高校時代を思い出した。

私はあの頃から変わってないのだろうか？

こんなにも今、近くにいて、一緒に時間を過ごしてるって、ただ己惚れたかったのかもしれない。

でもね、女優さんにも嫉妬してしまうんだよ。

私の心が、他の人に触れないでって、私に向ける同じ笑顔で笑いかけないでって、理不尽に嫉妬してる。

でも、三人でいることが楽しくて、嫉妬って何でしてしまうのかってことを考えないようにした。

だって、答えを出せばこの関係が終わりそうで。

私は欲張りだった。二人の笑顔が好きで、自分の気持ちに向き合うって決めたのに、気づかないことで三人の関係を保とうとしていた。

友情ごっこ・・・したかったわけじゃないのに。