第47話「目覚めた異能力について」 ページ2
「妾の治療に悲鳴をあげなかったのはアンタが初めてだよ」
少し不満そうな表情で医務室から出て来たのは与謝野だった。
「与謝野先生、治療ありがとうございました」
「礼なんて良いよ。それよりアンタ……麻酔も使わずに耐えるなんてどんな痛覚してるんだい？」
「まっ、麻酔を使わずに！？」
国木田がとうとう叫び声をあげ、太宰は蓮華の肩をガシッと掴んだ。
「蓮華ちゃん本当に与謝野先生の治療を受けたんだよね！？」
「え？は、はい」
「待って何でそんなけろっとしてるの」
「そんな事ないですよ。正直血の異能を抑える為に精神力使いましたからくたくたですよ」
「いやそうじゃなくて」
「治るんですから良いじゃないですか」
太宰は必死に蓮華を問いただすが、蓮華は鬱陶しくなったのか、強制的に話を終わらせた。
「娘，お前の事で少し話したいのだがいいか？」
「承知しました」
蓮華は少しだけ表情を曇らせながら頷いた。
「確認だが、お前の異能は血液を猛毒に変える異能で間違いないか？」
「ええ。恐らく」
「その子の異能なら妾も見たよ。
治療道具が幾つか駄目になっちまったし、麻酔を打っても毒で浄化されちまった」
与謝野が蓮華の異能について証言した。
「治療した後で悪いが，見せて貰っても良いか」
「良いですよ別に」
蓮華は迷わず自分の指を噛んだ。
小さな針を用意していた国木田は思わずギョッとしていた。
指から血が溢れ、床に数滴落ちる。
そして溢れた血が剣の形を型取った。
「……血溜まりが床を溶かしてるねェ」
「恐らく常時発動型の異能なんだろうね。
芥川君と戦った時は、血に命令すると爆破したよね」
「娘、やってみろ」
「はい」
蓮華は小さな血溜まりが出来た床を見つめ、口を開いた。
「“爆ぜろ”」
その瞬間、床が爆発した。
血が少なかったからか小規模だったが、床は先程よりも煙をあげて溶けていた。
「ゆ，床が！修理代が！」
「同じ要領で毒の濃度を変える事も出来ました」
「こりゃあ人体に触れたらひとたまりもないねェ」
「剣自体が血で出来てるから、そのまま武器として使う事も出来るという事か」
太宰が考え込むように呟いた。
だが剣にすると一度に血を沢山消費するので，長時間は使えない。
『私の中に眠る力って………もしやこの異能の事？』
ふと頭に浮かんだのは、夢で会った白い襟巻の青年だった。
第48話「笑顔が似合う吸血鬼」→←第46話「静まり返る社内にて」
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星木雪野(プロフ) - さくさくサックさん» コメントありがとうございます！乱歩さんですか………組合編の辺りに出せたら良いなと考えております！期待に添えられるよう頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年9月15日 21時) (
レス) id: 9c0b08827d (このIDを非表示/違反報告)
さくさくサック(プロフ) - あ、主人公ちゃん乱歩さんの血を吸ってほしい…乱歩さんの＿＿ぐへへ〜!!!!(＾p＾三＾p＾) (2019年9月15日 13時) (レス) id: f14b80ed49 (このIDを非表示/違反報告)
星木雪野(プロフ) - ねこさん» ありがとうございます！関西弁になる所は個人的にとても気に入っています！これからもよろしくお願いします！ (2019年8月14日 21時) (レス) id: 9c0b08827d (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - これからも頑張ってください、応援してます！！ (2019年8月14日 19時) (レス) id: b1b20001d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 初めまして…！文スト好きで、良く小説を漁っているんですがはっきり言ってこの小説めっちゃすこです。特に夢主ちゃんの関西弁がすっっっごく可愛くて！！！個人的に関西弁好きなんですが、いつもは敬語なのに時折見せる関西弁が性癖にぶっ刺さりました…。 (2019年8月14日 19時) (レス) id: b1b20001d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星木雪野 x他1人 | 作成日時：2019年8月3日 1時
