魚軍団の青色の奴は俺の彼女である

24話〜過去編〜 ページ25

10年前









青く広がる海に優雅に泳ぐ魚達、そのどれもが澄んだ美しい水で生き、生涯を終える。
要らない存在は何一つない青い海の中は嘘偽りのない姿を堂々と映し、生命の美しさ、儚さ、頼もしさ、全て、海は隠さずさらけ出す。
地球の海は美しいのである。この世の中を生きる人間の醜さは地球にとって恥ずべきものであると勝手ながらに思う。
私は、海だけが、海だけがあればいい。
地球の一部になって、青い己を偽らずに生きるのだ。
そのようなことが、実現できたら、どのくらい自分を誇ることが出来るのだろうか。

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Aside

たまたま見つけて読んだとても古いこの本は、今まで自分がどんなにちっぽけなことを体験していたかを物語るように、頭に響いた。
人生の、人という文字が、俺はなによりも嫌いだった。
人として生まれた俺は何もかもに嫌われて生きてきたから、何もかもが嫌いだったんだ。
自分が生きる人生すらも。

この本はすばらしい。

俺も、この本の中の人のような考え方を始めてみようか、
そういえば、こういう考え方を人々は皆同じように口にした言葉があった

「現実逃避」

逃げる避ける。
現実から。

改めて考えてみると確かに俺のこれは現実逃避だ。
否、やっぱり違うと言い切りたい

だって

人々がおかしいんだ。

地球上の俺の周りの人間が


地球の一部になって、ただただ時を流れていくのを眺めているだけでも世界といえるのに、なぜこの世界の創造主は人間に余計な思考を持たせたのだろうか、
疑問で仕方がない



(Aの本名)
これが俺の名前

名前という概念は余計じゃない

それに、哲学的思考に深入りするのも嫌いじゃない。







俺の遊び相手はいつだって、自分自身の頭の中と、自分という存在を嫌う作者が書く本だった。









「なあ、お前○○のこと好きなんだろ？」



「ううん、好きじゃないよ」



「嘘つけってwほら告れよ！あそこにいるからさ！」



「Aって○○のこと好きなの？」



「違う」



「うわっ！また変な妄想してるよこいつ」



「いつもじろじろ周り見てさー、自分でもおかしいと思わないの？」








「思うよ」









「A！なんの本読んでるん？」


「…君は皆と違う目だね」


「違う目？人の目とか分かるの？！かっこいいじゃん！」


「…え？」







そうやってすぐに

変わる心が憎いんだ。


はやく


海に生まれ変わりたいな

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