No.8 ページ8
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着いて早々に気が付いた。
｢ハメられた･･････！｣
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今回の依頼は、少し特殊だった。
危険な爆発物があるから、それを運んで欲しい。
爆発物なんてどれも危険じゃないかとは思ったが、稼業が波に乗った今、つべこべ言ってられない。
というのも、Aには借金があった。
勿論、自分の分は自分で稼いでいる。
報酬の三割、厄介な依頼主だった時は四割、斡旋業者である義爛の懐に入ってしまうが、それを抜きにしても卵の殻ですら血汗垂らして奪い合っていた施設の暮らしに比べれば、想像もつかないほど潤沢な生活を送っていると思う。
ならばなぜ、借金などしているのか。
父親の借金を肩代わりしているのだ。
どこで知ったのやら、施設を出た私に押しかけてきた所謂“自由業”のお兄さん達は、父親が手を出した闇金が、Aの知らない十年間で九桁以上に膨れ上がっているのだと捲し立てた。
そのままズルズル引き摺られて、果ては風俗嬢か、臓器提供か、といったところで、とりあえず目先の危機を排除しようと黒服のいかつい男共を叩きのめしたので、義爛と出会ったのだ。
義爛のお陰で何とか仕事を手につけたが、父親の借金のせいで日々拉致や誘拐に怯える不自由な生活を送るのも嫌で、再び押しかけてきた男達に父親の借金を肩代わりする事を約束した。
無意味な殺しは趣味ではない。
父親は、Aが中学校に上がるまでには強制労働の場に連行され、死ぬまで働かされた挙句、最後は身体をバラされて、様々な方に提供されたらしい。
同じ目に会おうとも思わなかったから、あくせく働いた金はなるべく、死亡届が出ておらず、安否も確認されていないが故に凍結していない父親の口座に振り込んでおく。
金さえ手元に戻れば、ヤクザは何も言ってこない。
そういう訳で、Aは当分、この稼業から足を引けそうになかった。
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
