No.47 ページ47
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ひと月ぶりの寂れたバーで、Aは嫌悪を隠さず顔に出した。
｢ヴィラン連合･･････死穢八斎會･･････｣
｢まあまあ、そんな嫌な顔すんなって｣
珍しく晒された白銀の頭をガシガシ撫でて義爛が笑う。他の顧客に比べ、群を抜いて幼いAに、義爛は少なからず絆されていた。
この年までヴィランとして生きてきたので、子供に懐かれ慕われるという事自体が初めてだったからかもしれない。
そんな風に可愛がっているAが顔を顰めたのは、例に漏れず新しい依頼についてだった。
｢大体、何で連合とヤクザが手を組むの。意味が分からん｣
Aはうんざりした顔でオレンジジュースをちろちろ舐めた。
｢どうやら手のひら見せて来たのは死穢八斎會の方らしい。ヴィラン連合が渋々手を取った形だが、トガとトゥワイスっつー連合の奴らが死穢八斎會に出向いて協力体制を取る。って死柄木は言ってたけどな｣
｢嘘だ。絶対何かあっただろ｣
｢まあ、その通りだ｣
これは俺の伝手で手に入れた情報だから、あ言いふらすなよ、と釘を刺して義爛が事のあらましを説明する。
何でも、ヴィラン連合のメンバーの一人が死穢八斎會の若頭である治崎廻に殺され、他一人が腕を失ったのだそう。死穢八斎會と協力し、勢力を拡大するというのは建前で、実際は死んだ仲間の敵討ちが目的なのだとか。
言いふらせる様な知人もいないAは、ヴィランも仲間思いなんだなあとぼんやり思うだけだ。
｢それで？私は何をすればいいの？｣
既にやる気はマイナスだったが、わざわざ仕事を選んでくれた義爛の手前、義務感のままに聞いた。
｢至って簡単だ。治崎を殺せ｣
｢はあ？敵討ちはどうしたんだよ｣
｢隙を見て奴の個性の発動源である手を切り離した後、絶望した治崎を殺して欲しいそうだ｣
｢いや、手ェ切り落として終わりにすればいいじゃん。その方が絶望度深そうだと思うけど｣
｢連合には連合なりに考えがあるんだろ。ともかく、付き合っておいて損は無い相手だからななるべく受けて欲しい｣
義爛に言われちゃあ仕方がない。
Aは肩を竦めてため息を吐いた。
｢いいよ。依頼受けてあげる｣
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
