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「あーんしてましたわね、しかも前田くんからもあーんと!」
『みやびちゃん…』
調理室からの帰り道、みやびちゃんにまたもからかわれる。
後から利家くんにあーんをされたと気付き、逸る胸を抑えることに必死やった。
毛利くんも竹中くんもなんだかニヤニヤしてるなぁ、くらいの感覚やったのにそういうことか…!と思わず赤面する。
パタパタと手で扇ぎ教室までに熱が引くように祈るしかない。
「私、2人を応援しております!」
『あ、ありがとう…?』
「秀吉、手柄の横取りか?」
「何が?」
「明智の玉子焼き」
私が気付いたものを黒田くんが気付かないわけがない。更に言えば、目ざとい井伊くんが見ていないわけがなく教室の雰囲気が悪くなる。
「お気付きでしたか…?」
『うん』
「なるほど…」
気付けずちょびっとだけしょんぼりした顔で明智くんを見るみやびちゃん、可愛い。
ちびっと心がほっこりしたが、豊臣くんが普通の中学出身ということで話がどんどん進んでいたんや。
卑怯者から倒していくか、と言う言葉にちびっとだけ身震いがするん。
ほんでもアンタ豊臣くんも馬鹿やねえ。
「アホやな〜!お前ら逆の発想してみ?普通の中学から来てんのに、この特進に選ばれるってことは何かあるって思わへんの?」
ほんで武田くんを倒そうと集まった他校のヤンキーを倒したのは自分だと宣う。
確かに私達はドローンの映像を何ぞに遮られ結果しか知れへんから、それが現実かもしれへんと錯覚する。
現実問題、それが本当に豊臣くんであれば恐るべき存在。ほんでもそれがハッタリなら…?
「じゃあ俺が倒したってやつがおったら名乗り出ろや」
その時にいなかったのは、みやびちゃん豊臣くん織田くん、もちろん武田くん。
織田くんは天下取りに興味がないとみやびちゃんが言っていたから、もし自分が倒したとしても言わへんやろう。武田くんはそのプライドから、本当に倒したのは自分以外だと口外しんと想定するとハッタリの方が確率は高い…?
「え〜!」
『みやびちゃん…?』
「誰も名乗りでぇへん。てことで、俺が倒したって証明されたわけや」
豊臣くん、何がするつもりなんかな。
今日は色んなことがいっぺんに起こりすぎた。みやびちゃんは豊臣くんを追いかけてしまったことやし、今日は早めに寝ようと心に決めちびっとばかりざわつく教室をBGMに私は机に伏せた。
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パンダ - 前田大好きなので応援してます (2022年10月8日 10時) (レス) @page22 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます!!これからも応援してます! (2022年10月7日 23時) (レス) @page22 id: da4f381cbe (このIDを非表示/違反報告)
naな(プロフ) - 私も前田くん好きなので、楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年10月4日 22時) (レス) id: 948a9abe41 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権左ブロウ - 頑張ってください!応援してます (2022年8月20日 0時) (レス) @page21 id: e25671cd6c (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - 私も前田くん好きなので楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♡ (2022年8月15日 23時) (レス) id: 8e4d5cdfdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろ | 作成日時:2022年8月8日 17時