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着慣れ―へん制服に袖を通し、組紐で高めにポニーテールをする。
やっぱりスカート短くないかな、採寸された時に皆これくらいよ!なんて言われてそうしちゃったけど。
まあいいか、今日から高校生!

『女の子の友達出来るかなぁ』

なんて思いながら正門をくぐろうとしたら、降ってくる鞄。
何が起こったのか、真正面を見れば青とオレンジのジャージ集団の中に女の子が一人ぽつんと立っておるやねえか。

『これ、おめさんの鞄?』
「あ、はい!ありがとうございます!」
『いえいえ』
「降りかかる火の粉は、払わねばなりませぬか」
『火の粉って何のこと…?』

混乱する私をよそに、何ぞ棒のようなものを振る女の子。
なにかあるのかな、棒を振ってもなあんも出ないけど…

「あ、バッテリー」
『バッテリー?』
「はい、バッテリーが切れたようで…」

鞄の中身をごそごそと探す女の子。
それを見守る私の横を、金髪の男の子が通り過ぎる。
自分で切ったのかスラックスが短く、マントのようなブレザーを羽織っておる。
その男の子が間を通り過ぎた時にはもう、ジャージ集団は地に倒れていた。

「仕方ありません」
『ねえ、バッテリーもういれへんみてえだよ?』
「え…?これはあなたが…?」
「知らん!で、貴様誰だ?」

日常会話で貴様って使う人初めて見た。
ほんな中女の子はジャージ集団にすいませんと言いながら間を通る。気になるから着いていこうか。

「私、特進クラスの日下部みやびと申します」
「特進?なんだ、貴様もクラスメイトか。俺は織田信長」
「お、だ、のぶっなが、とな?!」
「なんだその顔は。貴様うつけか?」
「うつけ?!」

うつけって言われて喜ぶ人初めて見た。今日は初めてが多い日だなぁ。

「それで、貴様は?」
『私は篠原まつ、特進クラスだよ』
「しの、はら?!ということは前田利家の正妻である、おまつのかた…?!」
『前田、ってどちらさん?』
「知らないとな!?」
「貴様、変な女だな」

みやびちゃんには申し訳ないが、確かに変な子だなぁと思う。
でも可愛くていい子そう、友達になれるかな。
去っていく織田くんの背を眩しそうに見つめる彼女を見て、そう思おったんや。

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パンダ - 前田大好きなので応援してます (2022年10月8日 10時) (レス) @page22 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます!!これからも応援してます! (2022年10月7日 23時) (レス) @page22 id: da4f381cbe (このIDを非表示/違反報告)
naな(プロフ) - 私も前田くん好きなので、楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年10月4日 22時) (レス) id: 948a9abe41 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権左ブロウ - 頑張ってください!応援してます (2022年8月20日 0時) (レス) @page21 id: e25671cd6c (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - 私も前田くん好きなので楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♡ (2022年8月15日 23時) (レス) id: 8e4d5cdfdc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろ | 作成日時:2022年8月8日 17時

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