兄の代わりに呪詛師になった話。 (ページ8)

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ゴウンッ、ゴウンッと音がなり、鉄の扉が開いた。高専最下層の薨星宮、参道にたどり着いた

四人でエレベーターを出ると、黒井さんが涙ぐんだ声で、自分はここまでだと天内に伝える

「理子様…どうか…………っ！」

「黒井っ…大好きだよ！ずっと…！！これからもずっと！！」

「っ…私もっ！！大好きです…！！」

抱き締め会う二人、そんな二人を時間は待ってはくれない。

数分もすれば、天内さんを連れて、薨星宮の本殿に僕たちは出向いていた。

「ここが…」

「天元様の膝下、国内主要結界の基底、薨星宮本殿だよ。」

「階段を降りたら、門をくぐってあの大樹の根本まで行くんだ。そこは高専を囲う結界とは別のと区別な結界の内側、招かれた者しか入ることは出来ない」

「同化まで天元様が守ってくれる。…それかさ」

「引き返して、黒井さんと一緒に家に帰ろう。」

「…えっ？」

僕たちの言葉に、驚いた天内さんはポカンとした顔で僕たちをみる

「担任からこの任務の話を聞かされた時、あの人は"同化"と"抹消"と言ったんだ。」

「あれはそれだけ、罪の意識を持てってこと。うちの担任は脳筋の癖によく、回りくどいことをするよ。」

「君と会う前に、悟とAとで話し合いは済んでる。」

-二日前-

「星漿体のガキが同化を拒んだ時ぃ！？…そん時は同化はなし！！」

「！悟、いいの？」

「本当だよ、いいのかい？」

「あぁ？」

「天元様と戦うことになるかもしれないよ？」

「…ビビってんの？大丈夫、なんとかなるって！」

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あの日、三人で話し合った。

天内さんが同化をしたくないと言えば、それで任務は終わり。

天内さんはいつも通りの生活に戻れるし、自分の人生を歩める。

「私達は最強なんだ。」

「天内さんがどんな選択をしようと、君の未来は僕達が保障する。」

天内さんが口を開いた。

自分は生まれた時から特別で、なるべく危ないことは避けて生き続けてきた。

両親がいなくなってもその時は覚えてないから寂しくはなかった、だから同化で皆と離ればなれになっても大丈夫だと思っていたらしい。

「どんなに辛くたって、いつか、悲しくも寂しくもなくなるって…でもっ、でもやっぱり…もっと皆と！一緒にいたいっ！もっと皆と色んな所に行って、色んな物を見て…もっと！！」

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