兄の代わりに呪詛師になった話。 (ページ13)

今日:2 hit、昨日:27 hit、合計:79,758 hit

. ページ13

夏油傑side

「！確か、部屋にいる筈ですけど…」

「お、ならお邪魔しようかな～。」

「いや、結構疲れきった顔をしてたんで今度にしてあげてください。」

「…弟思いの良い兄だね。じゃあ、私はそろそろ行くよ。上層部に呼び出しなんてごめんだからね」

九十九由基さんがそう言うので、私は玄関まで送っていきます。と伝えると、優男だね～と何故関心事みていた。

「じゃあ、本当は五条君や君の双子君にも挨拶したかったけど、間が悪かったようだ。これからは特級同士、四人仲よくしよう。」

「悟やAには私から言っておきます。」

「あ、そうだ。…星漿体の事は気にしなくて良い。あのとき、もう一人の星漿体がいたか、既に新しい星漿体が産まれたのか……どちらにせよ、天元は安定しているよ。」

「…でしょうね」

「じゃあ、またね」

九十九由基さんはそう一言言い残すと、愛車であるバイクに乗って行ってしまった。

星漿体の事は気にしなくて良い…か。

「…余計なこと言ってくれるな、ホント。」

その場でポツリと呟いて、私は高専の寮に戻った。

その日の夕方、久々に悟と会った。

「あ、悟。」

「ん、傑。お疲れ」

「うん、お疲れ様。」

仮眠程度しか出来てないであろう悟は目の下に隈をうっすら浮かべながら、私に笑いかけた。

「…傑さぁ、A知らね？部屋に行ってもアイツ居ねぇの」

「え、私は知らないよ…？確か、今日は休みだといって部屋の前で別れたんだが」

「えぇ？んじゃあ、アイツでかけてんの？一人で？珍～」

「まぁAだって、一人で出掛ける時もあるさ。それより、悟。私に用があるって言ってたけどなんだい？」

「ん？んー、あー…いやさ、最近全員集まれてねぇじゃん？だから、素麺大会でもやらね？って」

「皆、予定が合うかな？特に、私達とかは」

「無理矢理でももぎ取ってやるんだよ、休み」

「…そうだね。用はそれだけかい？」

「そ。じゃあ、明日も任務だから寝るわ。」

「そっか、じゃあおやすみ」

そう言うと、おやすみ～と返事をしながら、自室がある寮の方に帰っていった。

…こんなことなら、Aと一緒に昼ご飯、食べればよかった。

そう思いながら、私はコンビニで適当に弁当と菓子パンを買って、寮で食べた。