愛した君達へ (ページ17)

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諸伏side

「君はっ…俺達にとって君はっ………」

情けない、けど泣きそうな俺は一歩足を動かしたら死んでしまうかのような野村さんの腕を離さないように掴む

いつも君はそうだ、君は平気だよって言って平気じゃないときが何度かあった。

悲しむ人が少ない？そんなわけない、俺や零、松田に萩原、伊達だって悲しむ

「…君がそんな顔しないでよ、情けないぞ、男なのに。」

泣きそうな君、はじめてみた、そう言われた。

「っ…だって………」

「…わかった、わかったから……死なないよ。だけど、諸伏くんも死のうと考えないで？私と赤井さんが君を守るから」

そう言って笑う野村さんに、女の子に守られるなんて俺は情けないなぁって思いながら、そこから降りよ？って言ったら、うんと頷いた野村さん

「…はぁ、ハラハラさせるな、お前は」

「赤井さん、すみません…あ、スマホは没収するね、諸伏くん」

「えっ…でも……」

「今からお前の死体偽装するのにスマホは重要だからダメだ。データのバックアップは諦めろ」

赤井にそう言われてしまい、俺はそれより死体偽装をするって？どうやってやるんだ？と聞けば、赤井さんにこれを胸にやれと言われた。

「これ…」

「血糊だ、これを破いて胸にぶちまけろ、あと服に穴を開けるぞ、上着脱げ」

「あ、うん」

バンッ！と空中に一音が鳴り響き、服に穴が空いたのと同時に、血糊を赤井に言われたとおりに穴が空いたところ、そしてシャツにぶちまける

「後は、その壁に寄りかかれ。」

「あ、あぁ…」

壁に寄りかかり、野村さんに声をかけられる

「後の事、任せて。」

その言葉通りになった。

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「スコッチ！！！」

野村side

「…降谷くん」

「…野村、なんでだ」

「…………ごめん」

「っ！！」

諸伏くんが殺されたかのように見えた姿を見て、赤井さんが諸伏くんをさりげなく車に運んで少し

私と降谷くんだけになった屋上で降谷くんは、私を一向に見ない

「…助けれなくて、ごめん」

嘘だ、本当は助けれた。今だって生きてる、けどこれはほとぼりが覚めるまで言えない

その後の事はあまり覚えてない

降谷くんは諸伏くんが死んだと言う本当ではない事実を受け入れ、そしてその日を境に降谷くんとは必要以上の会話をすることはなくなった。