サディストの幸福理論［続きです］ (ページ11)

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16話　　サディストの幸福理論ページ11

あぁ、その顔だ。その顔が見たかったんだ。
絶望して、

すべてを諦めたはずなのに、

どこか、希望を映している目。

希望を映し出しているはずなのに、光は宿っていない虚ろな目。

その顔も、その瞳も、その髪も、その背中も、その佇まいも、その雰囲気も。
本当にお前の母親にそっくりなんだ！

お前の母親が死んだときは絶望したよ。
　
「もうあの表情(かお)を見ることができないなんて！」ってな。

でもアイツ(りの)を生んでから逝ったことは本当に感謝してるよ。
生まれたとき、こいつは神からの贈り物だ！って柄にもなく大喜びしたんだ。
回りの奴らも笑顔で祝福してくれた。

アイツはお前にそっくりだったよ。

それからは、もう一度でもいいからあの表情が見たくて、どれだけ泣いても罵り続けた。やめてと言われようがお構い無しに何度も何度も殴り続けた。

けれど、アイツがその表情を見せることは絶対になかった。
そして、いつの日からか、その瞳には希望の光のようなものを宿し始めた。

何より嫌いだった。
生きることに希望を見出しているような、何処までも続く無限の可能性を信じて明日に突き進む様な、その瞳が。

だから今日、このデスゲームを開催した。残ったのは、莫大な借金だけだった。

だが、別にそれでも良かった。
なぜなら、結果はどうであれこれが終わり次第、俺は自、殺する予定だったから。

生憎、こんな性格のせいで両親にはとうの昔に勘当され、親戚には縁を切られているのだからもとから頼れる当てなどいない。

だからこれは俺にとって最初で最後の大博打だった。

しかし、どうだ。すべてが俺の望んだ通りになったじゃないか。
だから、最後くらいは父親としてアイツの願いを一つだけ叶えるのだ。
そうしたらもう思い残すことは一つも無い。

今、生まれて初めてこの世に生を受けてよかったと思えたんだ。
あぁ、俺は今、最高に幸福だ！！

─ハッピーエンド─ サディストの幸福理論

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はい！自分でもわけわかんないと思っているので、補足します！
こいつ、まぁ、サディストはりのちゃんのお父さんですね、はい。
それだけですかね…

あ、あと、まだもう少し続きますよー！