中央の国の法律ボーイ【魔法使いの約束】 (ページ6)

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今の晶の気持ちに気付いたカインはその言葉を紡いだあと、

彼は何から話せばいいかと顎を触りながら考えていた

難しく考えるカインにシャイロックは「あまりここで話している暇はない」と伝える

「わかってる。」

「だが、何も知らない相手を、連れ去るのは騎士の仕事じゃない。」

賢者の魔法使いとして召喚される前、カインは騎士をやっていたのだ

騎士を辞めた今でもその姿勢は変わらない

彼は少し考えて、晶の名を呼び彼の顔を覗き込んだ

「単純な説明をしよう。」

「俺たちはあんたの力が必要だ。」

「あんたの力を貸して欲しい。」

続けて、カインは去年の戦いで負けたこと

去年まで、簡単に勝てていた＜大いなる厄災＞にカインたちは手を抜いたことも、油断してたわけでもないと告げる

だが、ドラモンドと呼ばれる男を筆頭に他の者達はボロ負けしたことを「いい加減な仕事をした」と言っている

カインは悔しそうに顔を下に向ける

いつの間にか、何も解らないまま戦いに負け、仲間の半分を失ってしまったのだ

「もう、何も失いたくない……。」

「だから、あんたの力を貸して欲しい。」

彼は続けて、晶の気持ちを尊重する言葉を吐く

「あんたには断る権利があるし、それは誰かに責められることじゃない。」

「だけど、俺たちは……。」

「どうしても、あんたが必要だ。」

「あんたが一緒に来て力を貸してくれてくれるならなんだってする」と真剣な表情であった

元・騎士だからが立ち振る舞いが何処か品がある

彼は真摯として、真っ直ぐな人なのだと晶は短い時間で彼の人間性を知った

「俺たちを信じて、俺たちに力を貸してくれないか。」