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すると、ずっしりとゴブレットが重く感じた
シャイロックが晶からゴブレット受け取り、笑った
「お見事でした。」
「賢者の光に導かれて、新たな魔法使いの体に、紋章が浮かび上がることでしょう。」
「紋章……。」
どんな模様だろう…とまだしっかりと覚醒していない頭で思っていると、
シャイロックは笑みを含み、自分の服の襟元を緩め、
胸元のボタンを2つずつ開け、ゆるく引っ張り、晶に左胸あたりにある自分の晶の世界の花…百合の花と似た紋章を見せた
「これが紋章です。」
晶は、今まで人の胸元を覗き込むという行為をしたことがないし
シャイロックの色気に当てられて、どぎまぎした
晶をどきまぎさせている当の本人であるシャイロックは晶の反応に、くすくすと機嫌よく笑う
心臓に悪い…
ドキドキとなる胸を押さえていると、シャイロックは「紋章が出る位置」「新しい魔法使いがこの建物に向かうための塔」の説明をする
「自主的に来てくれるんですか?」
「あの、知らんぷりされたりしないんですか?」
「賢者の魔法使いが集わなければ、世界が消滅する。」
「自滅願望がなければ、やってくるさ。」
「もしあったとしても、世界中の魔法使いたちを敵に回して、行方を追われることになるからのう。」
「無駄な抵抗はせんじゃろう。」
スノウとホワイトの回答に、ほんの少しだけ恐怖を感じはしたが、
晶はこれから出会うだろう、新しい魔法使いに胸を躍らせた
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作者の小話
【新しい魔法使い】の話があるのは、前回の続きの文字数が余ったからです。
そろそろ、アーサーくんたちの登場ですね。
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作者名:菊春 | 作成日時:2022年5月8日 14時