中央の国の法律ボーイ【魔法使いの約束】 (ページ29)

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「そうですね……。」

「呪文は魔力を宿した心を、強化するまじないのようなものなんです。」

「だから、それぞれ、魔法使いによって違います。」

今度は呪文について、話し始める

「好きな言葉を唱えていく内に不思議な力が宿る」と教えてくれたとヒースクリフは話す

晶がヒースクリフに聞いた「ヒースクリフの呪文はどんな意味なんですか？」

それを聞いた時、ヒースクリフは驚き、瞼を伏せ恥じらいながら、小さく呟く

「……夕暮れと、雨の音……。」

「夕暮れと雨の音……。」

「変、ですか……？」

気まずそうに聞いてきたヒースクリフに「変じゃないですよ」と伝えると

彼はほっとしたように笑った

打ち解けられたようでこっちも嬉しい。はにかみながら、料理を続けてる

「すみません。あまり聞かれたことないので、なんか、緊張しちゃって……。」

「こっちこそ、すみません！失礼な質問でしたか？」

「いいえ」と首を横に振った

他にも「真実の愛」や「宇宙の真理」とかを呪文をしている人がいるらしい

晶は「格好いいですね」と称賛の言葉をかける

続けて彼は、「好きな曲のタイトルや猫たちの名前になりそうだ」と言った

晶が言った単語の内の一つにヒースクリフが反応した

「猫好きなんですか？」

「はい、大好きです。」

「ファウスト先生も猫好きです。」

「本人は隠してるつもりですが、こっそり構ってるところを見たことがあるんですよ」と伝える

ヒースクリフがそう話したことにより、ちゃんとした言葉を交えていないファウストに晶は親近感が湧いたのだった