中央の国の法律ボーイ【魔法使いの約束】 (ページ27)

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「昨日は良く眠れましたか？」

「あ、はい。」

昨日、スノウとホワイトから教えて貰った賢者の書を呼んでいる内に晶は眠ってしまったのだ

台所に飛び交うものを眺め、呆然としながらヒースクリフから聞かれた質問を答えた

子気味良いリズムを立てながら、卵が割れボールの中でくるくるとかき混ぜられていく

おじやの準備をしながら、ヒースクリフはコーヒーをドリップしていた

それを見て、「魔法使いって便利だなぁ」と小さく呟くと、

その言葉はヒースクリフに聞こえてたらしく「え」と彼から驚いた声を聞くと慌てて晶は話題を変えた

「コーヒーは俺の世界にもありました。」

「コーヒーは魔法で作らないんですか？」

そう聞いたら、ヒースクリフは「魔法で作りよりも自分でドリップした方が美味しい気がするんです」と答える

続いて

「シュガーは魔法で作ります。」

「シュガーづくりは魔法を覚えたての子が手始めに練習する魔法なんです。」

「簡単そうに見えて、実はきれいな星の形や甘さの調整するのにはこつがある」とヒースクリフは話す

最初は上手く行かないことが多いとのこと

ぶくぶくと鍋に入れていた「気持ち米」が煮えてきたところでヒースクリフは卵液を落とす

綺麗なループを宙に描き、卵液がくるくる、ふわっと鍋へと落ちていく

その様子を見ながら、ヒースクリフは今のシュガーの説明を続けた

「魔法使いのシュガーは、体力回復や精神安定の効果があります。」

「だから、人間が買いに来たりします。」

「賢者様、手を出して。」

晶は言われるがままにヒースクリフの方に手のひらを差し出すと

彼が晶の手のひらを人指し指で指すと

すると、星形の砂糖がごろごろと数個ほど手のひらの上に現れた

「わ……。すごいですね！」

晶から出た称賛の言葉にヒースクリフは照れ笑いを浮かべた