中央の国の法律ボーイ【魔法使いの約束】 (ページ14)

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【花かけらの波】ページ14

晶は落っこちていく感覚に悲鳴を上げつつもの

自分とムルを追いかけて来たカインがムルを叱り、ムルが「賢者様、掴まってて！」と言われ

彼の言われた通り、腕に掴まると、ムルは器用に箒に跨り、ぐんっと目の前の景色が高くなった

風を切り、星で散りばめられた空を飛ぶ

晶は恐る恐ると空の下の景色に目を動かすと、彼の目には知らない光景が見えた

見たことのない森…あの「ハハッ」と笑うネズミがいる夢の国の灰かぶりのお姫様の城を思い出させるような建物…というか城

「……どこ……！？」

「何か失くした？ポケットの中は見た？」

呑気にそんなことを聞くムルに晶は食い気味に聞いた「日本は？東京は？」と

晶の問いにムルは「さあ」肩を上げるも、「行くよ」と切り替え、箒を高く上げる

ムルの行動を釘を刺す様にカインが声を上げる

晶は目をぎゅっと瞑り、ムルの体に必死にしがみつき、夜だからか空気が冷たい

その冷たい空気を切り、鳥のように飛んでいく

恐る恐る目を開け、後ろを振り向くと彼の故郷にある東京タワーと同じ塔が見えた

塔を見て、晶は彼らはここから飛び降りたのだと解った

その事実を知って、晶は恐怖か、それとも高揚感か、その２つか、色んな感情で胸の鼓動が速くなる

今、彼らは箒を跨って飛んでいる…箒で跨って飛んでいる者の呼名を晶は知っていた

「(まさか、本当の魔法使い……！？)」