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明るい声と共に、ドラモンドが晶たちの目の前に忽然と居なくなる

と思った矢先、ドラモンドが立っていた場所に、彼の服と小さな一匹のネズミが居た


「チューチュー!」


そのネズミ本人がドラモンドである

ドラモンド(ネズミ)の小さな尻尾を摘み上げ、窓からやってきた

ひとりの青年がにやっと笑った


「ニャーオ、食べちゃうぞ。」

猫のような動作を見せそういった青年を見て、晶は驚いた

彼はこの世界に来たさいのエレベーターで会った青年なのだから

驚きで固まっている晶を他所に、シャイロックが彼の名前を呼ぶ


「どこに行っていたんですか、ムル。」

「月にお別れをした!」

「月に?相変わらず、イカれてるな。」


ムルと呼ばれた青年の言葉に、カインは「理解できない」といった表情で彼を見た

今のムルを見て、晶はエレベーターで会ったムルを思い出す

エレベーターのムルは紳士で、今は別人…まるで気ままな猫のようであった


「賢者様、カイン、シャイロック、ムル!」

「話は後だ。みんな急いで!」


いつの間にか、晶たちの前に立っていたテミスが彼らの名を呼び

今でも、ファウストの容態を心配するヒースクリフは急かす様に声を上げた

すると、ムルの手元に居るドラモンド(ネズミ)の鳴き声が聞こえた

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作者名:菊春 | 作成日時:2022年5月8日 14時

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