2月のスイーツ〜ふたりの時間はスイーツより甘く〜【Monthly Story〜月別の王子様〜】

February sweets　　14 ページ16

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黒「……おい研磨。如月はまだ来ないのか」



山「そうだ研磨。如月はまだか」



リ「Aさんはまだですか…」






夜「お前らスタンバりすぎだろ…」









はぁ…




とため息をつく夜久さんを横目に見ながら、

目の前にいる巨人達(山本も一応)をジド目で睨む。




今日は2月14日。

世の中の男子は、




"バレンタイン"




という一大イベントのせいで1日そわそわしている。









クロは、黙ってればイケメンなのに、

がっつぎすぎ＋その性格のせいで義理数個。



リエーフはクラスの女子に義理で数個。



山本は女子にすら話しかけられないのでもちろん0。









というわけで、

我が部のマネージャーにしてスイーツ大好き人間のAが、

義理だとしても最高においしいチョコレートを

差し入れしてくれるのを待っているのだそう。



それが早くほしいのか、ずっとドアの前に待機している3人。


…バカだと思う。









でも、俺にAの行方を聞いてくるのはダメだと思う。



Aは音駒バレー部のマネージャーの前に俺の彼女。

義理にしろ、他の男に笑いながらチョコをあげてるのを見るのはつらい。


超がつくほどの嫉妬対象。

それがもとでケンカフラグ立ったらどうしてくれるの。









・









・









Aが今日、チョコを大量に持ってきているのは知ってる。

友達に配るんだ、と前々から言っていた。








Aのスイーツ作りの腕前は、結構有名だ。

調理実習とかあったら、確実にAの手さばきに歓声が上がる。


それにプラスして、

有名なケーキ屋から買ったんじゃないかという完成度、味。





バレンタインという名のスイーツイベントで、

Aの手作りを期待しない人間はいない。









ちなみに俺は、朝の段階で1つもらった。









貴『研磨にはあとでもたくさんあげるけど、とりあえず1番に渡したかったのー！』









というセリフ付きでもらったときには、

嬉しさのあまり顔がにやけてしまった。




しかもご丁寧にハート型で、



"研磨大好き♡"



と書かれたメッセージカードまで添えられていた。







あとでももらえるにしても、

朝から俺のテンションが高かった(傍から見ればいつもと変わらない)のは

言うまでもないだろう。

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