しろくろ【呪術廻戦】 (ページ28)

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その５ページ28

山本「とみ子ーッ！！！」

「！！あんたっ…！」

――突然聞こえた山本の声に耳を傾ければ、彼は私を捕まえていた樹木にぶら下がるように掴まる。

山本「貴様にばかり気をとられていたが、まさかあっちに来るとはな！」

「っどういう事よ、一体何が起きてる訳！？」

山本の手を掴んで引っ張り上げようとするが、中々重さがかかって上がらない。

そんな間にも、山本は樹木の本体を見ながら話を続けた。

山本「外法とは即(すなわ)ち憎しみや怨念といった負の感情を媒介にし、己ないし他者を魔に変じその力を操る邪術……呪術師が言っている呪詛とはこれの事だ！！

あれは今、より強い呪詛を貴様に求めている！」

「そんな…一体どうすりゃいいのよ！？」

山本「…呪いは呪いでしか祓えん。だが呪術界で言う反転術式の様に、負の感情は掛け合わせる事でプラスの効果を生み出す。

己の内にある闇は、己で抑える他なかろう。」

そう言い終えると、樹木は更に私達を上へ上へと徐々に上げていく。

「うわ、うわぁぁあっ！！」

山本「とみ子、バットを握れ！

そして彼奴にではなく、己が【心】に憎しみを打ち込め！！

正面から闇と対峙すれば今まで見えなかったものも見えてくるはず！！」

「っ！」

そんなアドバイスと共に、山本はみるみる根っこに捕まって落とされていった。

残されたのは、バットと私とあの樹木。

……これは、呪詛を打ち込んだ私の責任。

私が、なんとかしなくちゃいけないんだ。