しろくろ【呪術廻戦】 (ページ12)

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第二話『呪い屋、やめさせられました』ページ12

？「ッククク、あの天下の山本五郎左衛門がとみ子にねぇ…」

「笑い事じゃないわよ」

未だにマフラーついてんのが見えない？と怒れば相手は「ごめんごめん」と謝る。

――この人は呪術高専で教師をやっている夏油傑さん。元々は五条さんの同級生で、彼もたまに五条さんの代わりにここに来る事がある。

五条さん同様食卓で世話になってるのは変わりないけど、アレに比べたらまだ常識を持っているからまだマシな方だ。

今日も五条さんは任務らしいので夏油さんが代わりに来たのだ。今は一緒に寺の中庭が見える縁側に座って話をしている。

夏油「でもとみ子、五郎左衛門は呪術界で言えば特級に分類される人妖なんだよ。

それが天下の特級呪術師、坂田せつ子の娘に取り憑いたとなれば私達どころか上の奴等も大騒ぎ。」

「……」

夏油「……とみ子、二年生を始める前に少し自分の決断について考え直してみないかい？

もちろん私は君に無理強いはできないが、それじゃ勿体ないよ。」

せっかく才能や素質だって十分あるのに、と微妙に惜しむように私を諭そうとする夏油さん。

「…何度言っても無駄。

私は呪い屋を趣味程度にやってるけど、別に呪術師になる気なんかないわ。」

…そんな事やりたくないの、本当はわかってるくせに。

夏油「呪い屋、か…まあ、せめてそれは適度な仕事に留めておくことだね。

もしこれ以上呪う事であれば…わかってるよね？」

「…わかってる」

――呪詛師は、呪術師の敵。

人間が闇を直々に創り出すのであれば、祓われるべき…それが、呪術界の掟。

壊してはならない、大切なルールなのだ。