23-44 ｱﾚﾝｼﾞ ページ46
■ EunHyuk ■
そのままｲｯくんはﾊﾞﾙｺﾆｰの方へと向かい大窓を開けた。
ｶｰﾃﾝがふわりと大きく揺れると、ﾋﾟｱﾉの音色も大きく部屋の中に入って来る。
ｲﾁ「あぁ、Aが弾いてるのか。これあいつの曲だ」
そうなんですかと答えて、僕はまた天井を見上げた。
綺麗な音色はｸﾗｼｯｸ曲の様にしっとりとしたものだった。
ｸﾗｼｯｸには詳しくないけれど、そういったものを聴くと気持ちが穏やになるｲﾒｰｼﾞがある。
だけどこの音色は、ただ…切なさが胸を突く。そんな風に感じた。
しっとりとした音に耳を傾けながら落ち着いた雰囲気で酒を飲んでいるんだろうか。
・・・あの騒がしい兄さん達が？
真っ白の天井を見上げながら首を捻った時、ｲｯくんに良いのかと声を掛けられた。
再度ﾊﾞﾙｺﾆｰの方に顔を向けると、ｲｯくんはこの音に耳を澄ませる様に目を閉じていた。
少し微笑んでる様にも見えて、僕とは違って穏やかな気分になってるんだろうか。
ｳﾆｮｸ「良いのかって…何がですか？」
そう声を掛けると、ｲｯくんは閉じていた目をゆっくりと開き、一緒に回らなくてだよと言った。
ｳﾆｮｸ「え？」
ｲﾁ「ﾋｮｸはAの曲を聴いた事がある？この曲、Once againって言うんだ」
ｳﾆｮｸ「え？これですか？その曲は聴いた事ありますけど全然違う」
どうりで切なく感じた訳だ。ﾋﾟｱﾉの音だと余計に切なく感じる。
ｲﾁ「元はﾋﾟｱﾉ曲じゃないからｱﾚﾝｼﾞしてるんだろ。俺この曲は特に好きなんだよね。Aとの色んな思い出が詰まってるから」
ｳﾆｮｸ「そうですか…思い出が・・」
だから微笑んでたのか。切ない曲でもそこに思い出があると穏やかな気分になるんだね。
ｲﾁ「あのさ…確かにあいつに忘れられたかも知れない。でもほんの一部分だろ？」
ｳﾆｮｸ「簡単に言わないで下さい。その一部分は特別なもので、僕の中ではもう宝物になってたんですから」
忘れられた僕の気持ちがｲｯくんに分かる訳ない。とは口には出来ないけど。
だってそのきっかけを作ったのは僕じゃないとは言い切れないんだから。
ｳﾆｮｸ「例えばAが思い出の詰まったこの曲を忘れてしまったとしたらどうです？」
ｲﾁ「俺なら宝物が増える様に自分なりにｱﾚﾝｼﾞしようとするかな。そしたらもう一度、あいつの世界を一緒に回れる」
そう言ってｲｯくんがAの様に優しく微笑むと、ﾋﾟｱﾉの音がﾋﾟﾀﾘと止まった。
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みるく - モジョさま、このお話は初めからすごく興味深いもので、夢中になって読んでます！不思議な場面がたくさんあり夢に飛んでますが、そういうところが大好きです！トムに私も会いたいと思ってしまいます。私自身が感が鋭く不思議な体験が多いので共感が持てます！ (2015年3月15日 11時) (
レス) id: 24618d5a10 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - すごく面白いです、私も、妄想好きですけど、ここまで、妄想で、小説書けるなんて、尊敬します、ゆっくりでいいので、楽しみにしています、 (2014年11月24日 10時) (レス) id: ea1097e441 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - ちゃちさん» ＞ちゃちさん☆ え〜！ｷｰﾜｰﾄﾞ見てからまた読み返してくれてるんですか？！何て…有難いです(TT)★嬉しいです！来年から少し仕事に余裕が出そうです！多分(笑) いっぱいお話ししましょうね♪ でもちゃちさんが忙しくなりそうですね…春になったら社会人ですよね？ (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - あいさん» ＞あいちゃん☆ 返事が遅くなってごめんね！く、9時間目？！今の高校ってそんな時間までやるもんなんですか？！夜の10時くらいまでってことになるのかな？え〜！それは…ふざけとる(笑)あいちゃん頑張って！ファイティン♪ (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - maruさん» ＞maruさん☆ 作者よりも楽しみにしていただけてるなんて…。嬉しいです〜(T□T) これからも自信持って？謎解きｷｰﾜｰﾄﾞ書いていけます！(笑) これからもよろしくお願いします♪ 結末がしょぼくならないようにしなくっちゃ(笑) (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓｼﾞｮ
| 作成日時：2012年10月29日 3時
