23-31 絶望と暗闇 ページ32
■ RiKu ■
ｼｳ兄は空を見つめたままで何も言わないから、今度は俺の方から声を掛ける事にした。
ﾘｸ「・・・大丈夫？ごめん…俺、やっぱり土足で踏み込んだ？」
いや、全然。そう言って笑ってくれたから少し安心した。
ｼｳ「ﾘｸもAも、互いで存在を確かめ合ってるって感じがするね」
ﾘｸ「んー、Aはどうだろう？俺の存在価値はAに貰ったようなもんかな」
ｼｳ「あぁ、それで大切に想ってるし信じてるのか」
ﾘｸ「それがでかいと思う。ｼｳ兄にはそう言う人いないの？さっきのその人とか」
そう聞いたすぐ後に余計な事を聞いたかも知れないと思い、答えたくないなら答えなくていいと付け加えた。
ｼｳ「俺は・・どこにも存在しなくなった。もう遠い昔にね。それにこのまま…存在しない方がいいのかも知れない」
話が一気に変な方向へ向かい、やっぱり余計な事を聞いてしまったと思って焦った。
ﾘｸ「話なら聞くから滅多な事は考えないでよ？酒！とか飲みに行く？ｼｳ兄飲める？俺もAも強いんだけどさ・・」
どうにか話を。そしてｼｳ兄の気分を向上させようと必死になる俺に向かって、
「いや、ﾘｸ？俺、別に死にませんけど」
と、ｼｳ兄は普通ﾄｰﾝで返して来た。
ﾘｸ「そ、んな事は俺も考えてませんでしたけど？ははっ…ｼｳ兄何言ってんだよ」
本当はめちゃくちゃ焦っていたから内心ホｯと胸を撫で下ろしていると、ｼｳ兄が声を上げて笑った。
何なんだよ…。
ｼｳ「あー…ごめん！こんなに笑ったのは久しぶりかも知れない！」
ﾘｸ「いや…、俺は一つも面白い事は言ってないけどね」
ｼｳ「死ぬ訳ないよ。俺は生かして貰ったんだからね…」
そう言って再度空を見上げたｼｳ兄に何て答えればいいかが分からない。
おいおいおーい…。笑って良い方向に向かおうとした矢先じゃなかったのかよ。
ｼｳ「・・だけど、俺の世界はこの空と一緒」
何だよ…真っ暗闇だって言いたいのか？
あぁ…返答に困る話は勘弁して欲しいと思っていた時だった。
ｼｳ兄が俺の方を見てﾆｯｺﾘとした満面の笑みで笑い、
「ﾘｸは絶望を見た事がある？」と聞いて来た。
言葉と表情は異なったものだったのに、俺はそのちぐはぐな笑顔に切なさ？いや、もっと哀しくなる様なものを感じて言葉を失った。
どんな絶望を見たら…こうして感情に見合った表情を作れなくなるんだろう。
どんな暗闇がこの人の心を壊してしまったんだろう・・って。何故かそう思ったんだ。
---作者のﾓｼﾞｮです---→←23-30 答えれず仕舞い
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みるく - モジョさま、このお話は初めからすごく興味深いもので、夢中になって読んでます！不思議な場面がたくさんあり夢に飛んでますが、そういうところが大好きです！トムに私も会いたいと思ってしまいます。私自身が感が鋭く不思議な体験が多いので共感が持てます！ (2015年3月15日 11時) (
レス) id: 24618d5a10 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - すごく面白いです、私も、妄想好きですけど、ここまで、妄想で、小説書けるなんて、尊敬します、ゆっくりでいいので、楽しみにしています、 (2014年11月24日 10時) (レス) id: ea1097e441 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - ちゃちさん» ＞ちゃちさん☆ え〜！ｷｰﾜｰﾄﾞ見てからまた読み返してくれてるんですか？！何て…有難いです(TT)★嬉しいです！来年から少し仕事に余裕が出そうです！多分(笑) いっぱいお話ししましょうね♪ でもちゃちさんが忙しくなりそうですね…春になったら社会人ですよね？ (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - あいさん» ＞あいちゃん☆ 返事が遅くなってごめんね！く、9時間目？！今の高校ってそんな時間までやるもんなんですか？！夜の10時くらいまでってことになるのかな？え〜！それは…ふざけとる(笑)あいちゃん頑張って！ファイティン♪ (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - maruさん» ＞maruさん☆ 作者よりも楽しみにしていただけてるなんて…。嬉しいです〜(T□T) これからも自信持って？謎解きｷｰﾜｰﾄﾞ書いていけます！(笑) これからもよろしくお願いします♪ 結末がしょぼくならないようにしなくっちゃ(笑) (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓｼﾞｮ
| 作成日時：2012年10月29日 3時
