23-21 ゴクリ ページ21
■ RiKu ■
次の言葉を探しながらｺｰﾋｰを口にする。
この人を信用していいのかは正直疑問で、続きを聞き出すのを少し躊躇ってしまう。
聞けば聞くほどこの人が怪しいと思ってしまいそうでさ。
一度はこの人を受け入れると決めた訳だし、何よりも俺はAを信じてる訳だから。
それにｼｳ兄は泣いていたしな。俺に会えて良かったってさ。
あー…どうしたもんか・・。
と、両手に挟んだ缶を見つめていたら隣から「ははｯ」という笑い声が聞こえて来た。
顔を向けると笑顔のｼｳ兄がいて、その顔のまま言うんだ。
ありがとう、と。
ﾘｸ「え？」
ｼｳ「あまり突っ込んで来ないのは信用したいと思ってくれてるから？」
ﾘｸ「いやぁ…正直怪しいと思ってるよ？聞きたい事もまだあるし気になる事もある」
何でAに隠しておきたいんだろうとか、ｼｳ兄は社長とどんな関係なんだとか、今日俺達と会ったのは偶然だったのかとかさ。
だけど踏み込んでいいのかとか、聞く事によって俺はこの人を傷つけるんじゃないかとかはさ、やっぱり考える。
人に言えない事や隠しておきたい事もそうだけど、自分の中に抱えてるもんって誰でもあると思うから。
それは頭を悩ませたり心を痛めたりして出した結論で、自分なりの理由が必ずあるはずだし。
俺にもあるんだ。
そこに土足で踏み入られるのは誰であっても許せない。
そこに入っていいのは自分が本当に信頼してる人だけだ。
でも俺ってｼｳ兄にとってまだそんなんじゃないでしょ？だから聞いていいもんかなぁって。
俺はさ、別にどうでもいいんだよ。自分がどうこうなる分には。
でもAが傷つくのだけは嫌なんだ。
ｼｳ兄を信用した後に、あいつが泣く様な事があったりしないかってそれが心配なんだよ。
違うか。無理して笑わないかが心配なんだ。
ﾘｸ「それで色々話を聞きたかったわけ。別に礼を貰える立場じゃないよ」
俺は自分が思った事を全て話した。どさくさに紛れてﾏ・ｿﾝｼﾞｪの事も軽く放り込んでみた。
ｼｳ「・・ﾘｸこそ、何でそんなにAの事ばかりを考えられるんだ？」
真っ直ぐ目を見て来るｼｳ兄に俺はこう答える。
それが俺の抱えてるものだよ。人に軽々しく話せる様なそんな単純な想いじゃないんだ…と。
ｼｳ兄は、そうか…色々あるよなと小さく笑ってｺｰﾋｰを口にする。
そうさ。俺にも色々あるんだ。
ｺｰﾋｰをｺﾞｸﾘと飲む様に、想いも飲み込まなきゃいけない事だって。
23-22 そう出来るんだから→←23-20 ﾘﾋﾞﾝｸﾞとｷｯﾁﾝ
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みるく - モジョさま、このお話は初めからすごく興味深いもので、夢中になって読んでます！不思議な場面がたくさんあり夢に飛んでますが、そういうところが大好きです！トムに私も会いたいと思ってしまいます。私自身が感が鋭く不思議な体験が多いので共感が持てます！ (2015年3月15日 11時) (
レス) id: 24618d5a10 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - すごく面白いです、私も、妄想好きですけど、ここまで、妄想で、小説書けるなんて、尊敬します、ゆっくりでいいので、楽しみにしています、 (2014年11月24日 10時) (レス) id: ea1097e441 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - ちゃちさん» ＞ちゃちさん☆ え〜！ｷｰﾜｰﾄﾞ見てからまた読み返してくれてるんですか？！何て…有難いです(TT)★嬉しいです！来年から少し仕事に余裕が出そうです！多分(笑) いっぱいお話ししましょうね♪ でもちゃちさんが忙しくなりそうですね…春になったら社会人ですよね？ (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - あいさん» ＞あいちゃん☆ 返事が遅くなってごめんね！く、9時間目？！今の高校ってそんな時間までやるもんなんですか？！夜の10時くらいまでってことになるのかな？え〜！それは…ふざけとる(笑)あいちゃん頑張って！ファイティン♪ (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - maruさん» ＞maruさん☆ 作者よりも楽しみにしていただけてるなんて…。嬉しいです〜(T□T) これからも自信持って？謎解きｷｰﾜｰﾄﾞ書いていけます！(笑) これからもよろしくお願いします♪ 結末がしょぼくならないようにしなくっちゃ(笑) (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓｼﾞｮ
| 作成日時：2012年10月29日 3時
