カワイイは作れるのなら苦労はしない【ぶっちゃけあり得ない】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:3,949 hit

｛強運と悪運は紙一重｝ページ3

繰り広げられている光景に感嘆していると、つい右手が勝手にケータイを握っていた

ぷいきゅあーがんばえー

おおすげぇ、目の前でリアルファイトしてる。あっ、このアングルイイね。はぁー、やっぱり生で見るプリキュアは迫力が違うわー。

でも、あのピンクと水色の髪の子、どっかで見たような見てないような…気のせいか！

向こうが気づいていないのをいい事に戦場カメラマンさながら夢中になって撮っていると、ケータイに一件の着信が入って、そこでふと我に返る。
危うく本来の目的を忘れるところだった俺は着信メールをチェック。こうしている内に仲間全員はとっくに避難完了したそうな。それは良かった。

フッ、プリキュアとその敵方さんよぉ、良いもん見させてもらったぜ。
後で友達にこの写メで「俺、プリキュアと遭遇したんだぜ。」とでも自慢しておくからよ。
部外者は去ろうとしたその直後だった。

頭上の雲が凄まじ速さで通り過ぎていく。

うん？風なんて吹いてないのになんで雲がそんなに早く通り過ぎていくの？疑問に思って空を見上げ、そして俺の真上を通り過ぎていく物の正体は巨大な大岩だと認識するが束の間、帰る方角にチュドォォォオオンとけたたましい破壊と波飛沫の音があがった。

「」

プリキュア達と敵方との肉弾戦をBGMに俺の頭は真っ白に漂白された。

「(コイツら…人間じゃねぇ。)」と、敵の圧倒的な力を目の当たりにすると同時に、漸く今の現状の深刻さを理解した己の愚かさが身に沁みた。

ブーブーッ、二度目のバイブ振動でフリーズしていた脳内が叩き起こされる。縋り付く様に着信メールを開いてみれば、浜辺と遊園地を繋ぐ橋が完全に断たれている写真が添えられていて、思わず白目を剥いた。
そして下にスライドすると

【よく分かんねえけど橋全壊。
未だ園内に取り残されている一般人はどうやらお前だけらしいぜm9(^Д^)ﾌﾟｷﾞｬｰwww

こっちも救助呼んで何とか手を打つから暫くミラクルライト振って頑張れ】

うん、ワロえない、全然ワロえない。こういう時に冗談でもないことを言う友人に初めて殺意が芽生えた。その一方で…

「「「「レインボージュエルは、渡さない！！！！」」」」

【プリキュアはなかまを呼んだ▼】

あっ、集合写真げとー。
腹いせにこの写真送りつけて「プリキュアいるから大丈夫っス」って自慢してやるもんね。
こんな事してる場合じゃないとわかっている。ただ情報量が多すぎて一周回ってアホになった自分を誰でもいいから助けにきて。