５話 ページ6
シウミンside
一呼吸すると、ジョンデはしゃべり始めた。
JD｢まず最初にあの子はAちゃんって言うの。俺の店に昔からの来てる常連さんだよ。多分、ミンソクヒョンと来る時間が違うからいつも会わないみたいだね。｣
XM｢そうだったのか。｣
JD｢過去の話になるんだけど、Aちゃんは……お母さんを殺されたの。Aちゃんにとって唯一の家族を。俺の口からいえるのはそれくらい。｣
XM｢え………。｣
言葉がでなかった。
というか浮かばなかった。
JD｢その時に雨が降ってたんだ。だからAちゃんは雨が降っただけで苦しくなる。｣
XM｢……でもっ、彼女は俺を見てっ。｣
JD｢多分、お母さんを殺した男とリンクさせちゃったんだと思う。その男も雨に濡れてたからね。｣
XM｢だからか。じゃあ、今のは俺のせい…。｣
JD｢いや、ミンソクヒョンは悪くないよ。だってこんなこと知らなかったでしょう？｣
XM｢だけどっ!｣
JD｢むしろ、ミンソクヒョンだったら、Aちゃんを助けられる気がするんだ。｣
XM｢…どうして？｣
JD｢俺だって今まででミンソクヒョンにたくさん助けられてきた。この店を持てたのもミンソクヒョンのお陰じゃないか。ミンソクヒョンは誰よりも思いやりに溢れていて、優しい人だよ。信頼できるんだ。｣
XM｢でも、あったばっかで。｣
JD｢Aちゃんはいつも人が少なくなる２０時過ぎにくるんだ。｣
JD｢お願いだよ、ミンソクヒョン。Aちゃんを、Aを助けてあげてください。｣
XM｢ジョンデ……。俺が頑張れば彼女は心を開いてくれるかな?｣
XM｢これからは俺に彼女を、Aちゃんを守らせてくれ。｣
JD｢ありがとう、ヒョン。｣
ジョンデは今までで一番の笑顔だった。
もし俺が笑ったら、君も笑ってくれる？
もし、俺が手を握ったら、君も握り返してくれる？
その日が来るまで、君に何て言われようと、どこに逃げられようと、君のそばにいると今決めたよ。
XM｢彼女は、俺が守るよ。｣
続く
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作者名：ベル | 作成日時：2019年4月21日 19時
