第2章−3− ページ8
すると傷だらけの人はぴくりと動いて、苦しそうに口を開き出した。
「アイツ...ナリタクナイ......マネ、キン...オナジニ...ナリタク...」
マネキン。
その言葉に知念と俺は反応した。先ほどのフロアのマネキンだろうか。
"マネキンになりたくない"
そう言っていたのだろうか。
......マネキンになりたくない。何があったんだろうと考えた。
するとまた何かを言おうとしたのか口を開いた瞬間、後ろから頭を踏まれ、グチャっと音を立てた。
「まだ生きてたの?すごいな〜......早く逝けよ。」
ふわりとした口調から一変、声のトーンを落とし、顔色を変えた。
また刺そうと包丁を持った手を振り上げた瞬間、知念がその男の腕を掴み今しようとした行為を止めた。
そのことに青年はぎょっと驚き、知念を凝視する。
「やめてあげて」
「......!...はいはいわかったよ〜、そんな怖い顔しないでー」
知念の顔を見た時、一瞬何かに気づいたかのような顔を伺わせた。
が、またヘラヘラような様子に戻った。
その青年は振り上げたナイフを下ろし、ナイフを軽く振り血を落とすと、腰元にかけてあるカバーケースに入れる。
するといきなり事を語り始めた。
「あのマネキン。展示品なんだよ」
「は?」
「気づいてないの?マネキンの切断面から血が出てたことくらい気づくでしょ」
切断面......
そう思い返せば、カウンターに隠れていたとき、身を引きずっていたマネキンの後ろは血が赤い道を作っていたし、窓に突進してきたマネキンも血だまりを作っていた。
だから?だから何なのか。
マネキンが展示品だってことくらい知っている。
「あ......」
「おっ、そっちのおチビちゃんはわかったっぽいね」
あ、どっちもチビか!なんてへらへら笑い出す青年。
その姿が何ともむかつく。
だが、いくら考えてもわからない。
そんな俺に知念はヒントを出してくれた。
......答えは教えてくれないのか、なんて少し残念に思ったが。
「マネキンって人の形してるよね、それに血を流すなんてまるで...」
「......人間みたいだな...」
そう、人間みたい......
人は指を切れば血は滲む。
いや待てよ、人間みたい...?
その言葉にはっとなりやっと気づく。
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今週の木曜がテストでした...(やばい)
勉強優先させてもらいます!ごめんなさい!
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キャティア(プロフ) - どうやったら、漫画などの絵を載せることが出来ますか?教えてください!! (2017年2月23日 20時) (レス) id: 3b338422a0 (このIDを非表示/違反報告)
偽り(プロフ) - 漫画が上手い!! (2017年2月23日 6時) (レス) id: 90395ad59e (このIDを非表示/違反報告)
ポヤサン - 大好きです!!!!! 頑張ってください。 (2017年2月18日 13時) (レス) id: 09d280978a (このIDを非表示/違反報告)
詩歩(プロフ) - この作品いいですね!最後のbat endって綴り、bad end ですよ〜! (2017年1月15日 8時) (レス) id: a41764ba41 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - Hey!Say!JUMP大好きっ子(あやね)さん» どんどん癖になっちゃってください!笑 ありがとうございます!頑張ります! (2017年1月14日 11時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2017年1月8日 22時