第3章−5− ページ16
ザアァァァ......
閉め切った家の中でも聞こえてくる雨音。
机に置かれたノートから目を離し、窓からソトを見る。
もう何日間降っているのだろうか。
ここ数日、窓を見れば雨が降っている。
でもこの鬱陶しい湿気にはまだ慣れない。
集中力を無くし、ノートや資料集を閉じてはしまう。
こんな雨の中、妹は友達と美術館に行ったらしい。
「母さーん、ご飯なにー？」
階段を降りながら大きめに声を出す。
返答はないし、物音すら何も無い。
なんだ、母さんも出かけたのか…そう思い、キッチンへ行き冷蔵庫を開ける。
「すっからかんじゃん...」
その中は言葉通りすっからかん。
まあそこまでお腹が減ったわけでもないし、冷蔵庫を閉じてソファーに座る。
リモコンを手に取り、ボタンをぽちぽち押しても特に気を引くものはなく、とりあえずニュースでも見る。
そこで取り上げていることが"行方不明者多数"
『現在、行方不明者が増加してきております。○○市の美術館を設立された、叔母である知念さんですが息子さんである知念ーーさんとその妻であるーーさんに娘のーーさんが行方不明となっております。その他にもーー......』
「行方不明ありすぎだろ」
自嘲気味に笑いながら言う。
だが次のニュースキャスターの言葉に表情を固めた。
『行方不明の共通点は美術館に行ったまま戻ってこないということです。
この美術館は今週をもって一時閉館する模様です。』
......そういえば、妹と友達が美術館に行くと聞いた。もしかしてここの美術館なのではと不安がよぎった。
とりあえずニュースで取り上げられていることを写真に撮りLINEで送信しておく。
気を付けろよ、とメッセージも一緒に。
すると玄関の方からドアの開く音が静かなこの空間に響いた。
ガサガサと買い物袋を手に下げた母がキッチンへと急いでいた。
「けいー！遅れちゃってごめん〜、今お昼作るからね」
「あ、うん。俺もなんか手伝うよ」
「じゃあ、お皿しまっておいて！」
うん、と頷くと母さんは手際よく俺の好きなトマトを切りだしたーー
ーーそしてお昼ご飯も食べ、久しぶりに母さんと話したり、家事の手伝いをしていたらあっという間に午後七時を過ぎていた。
母さんはキッチンで料理を作り、俺は妹からの返信が来ていないか確認する。
そこには大丈夫だよ、と一言だけ。
うざい。と思われてしまうかもしれないが、早く帰ってこいよと送り返す。
だが、その言葉に既読が付くことはなかった。
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キャティア(プロフ) - どうやったら、漫画などの絵を載せることが出来ますか？教えてください！！ (2017年2月23日 20時) (
レス) id: 3b338422a0 (このIDを非表示/違反報告)
偽り(プロフ) - 漫画が上手い!! (2017年2月23日 6時) (レス) id: 90395ad59e (このIDを非表示/違反報告)
ポヤサン - 大好きです!!!!! 頑張ってください｡ (2017年2月18日 13時) (レス) id: 09d280978a (このIDを非表示/違反報告)
詩歩(プロフ) - この作品いいですね！最後のbat endって綴り、bad end ですよ〜！ (2017年1月15日 8時) (レス) id: a41764ba41 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - Hey!Say!JUMP大好きっ子(あやね)さん» どんどん癖になっちゃってください！笑 ありがとうございます！頑張ります！ (2017年1月14日 11時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちあき | 作成日時：2017年1月8日 22時
