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第2章−1− ページ7

薄らとしていく意識。
足に重い足枷でも付いているのかと思うかのように身体はどんどん沈んでいった。
暗くなる景色。そして遂に意識がなくなった。

ふわりと身体が軽くなった。
いや誰かに抱えられている。薄く目を開けて見る。
狐のお面を付けている誰かが......


「ん...ぇ......」

「あ、起きた。」


ぱちりと開けた目。まだ目の前が掠れた世界の中、こちらの顔を覗き込む人。
見た感じでは二人ほどだろうか。全く見覚えのない人たち。

その前にこの人たちは誰だろうか。


「この子可愛いな!驚いて固まってるよ」


顔をくしゃりとさせ目を細めて笑うその男はそう言ってほっぺを指でつついてくる。
初対面で馴れ馴れしい上になぜこんな遊ばれているのか。


「おーい!大丈夫か?」


ちらりと見えた八重歯が特徴的な男。
するとある異変に気づいた。


「耳!?」

「いきなり喋ったな」

「なんだ元気じゃん」


二人とも頭に獣のような大きな耳を生やしている。
それに一番驚き、がばっと寝ていた身体を勢いよく起こす。

耳は敏感にひくひくと動いていた。そして案の定、下半身を見れば大きな尻尾。
それはふわりと華麗にしなった。

頭が酷く混乱し始めた。目の前にいるのは一体何者で、ここはどこなのか。


「ほら怯えないで、今日お供えしてあった御稲荷さんあげる」

「おい、天主に怒られるぞ」


笑い方が特徴的だった男が目の前へと差し出すお稲荷さん。
知らない人から貰ったものを毒味せずに食べることはし難い。
それより天主とは誰だろうか。いや、その前に目の前にいるのは誰だ...

何もできず、ただただ目の前にあるお稲荷さんを難しい顔で見つめることしかできない。


「そんな難しい顔しないで!美味しいから!」

「あ、のぅ...えっと......どちら様でしょうか?そしてここはどこですか...?」

「やぶのせいで俺たち怪しまれてるぞ」

「なんだよ〜、どこからどう見ても怪しくないだろ」

「下界のやつにとっては耳に尻尾は可笑しいと思われると思うけど...??」

「ああ、それもそうか」


やっと名乗ってくれるのだろうか。自分から名乗らず相手に自己紹介をさせることは行かぬことだとわかっているが、こんな状況じゃ何も出来なかった。

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ちあき(プロフ) - みたらしさん» ありがとうございます(;▽;)そう言ってもらえて嬉しいです!頑張ります!! (2017年1月19日 17時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし - この作品大好きです。これからも更新楽しみにしてます^^ (2017年1月19日 2時) (レス) id: 9dd0152da4 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ふうさん» ありがとうございます! 変更せずに、考えた案を練りながらまた更新しようと思います...!お騒がせさせてしまいすみません! (2017年1月18日 20時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - AI やまちね loveさん» わざわざありがとうございます...!!また再び更新しようと思います!迷惑かけちゃって申し訳ないです... (2017年1月18日 20時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - 【恐怖の美術館】楽しく読ませて頂いていました。今作も展開を楽しみにしております。お話変更という事ですが、されてもいいと思います。まだまだ序盤でしょうし、変えても良いかと思われます。更新楽しみにしております〜。 (2017年1月18日 19時) (レス) id: 528772c314 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちあき | 作成日時:2017年1月15日 14時

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