第4章−3− ページ19
日の入りも早くなったものだ。入相の鐘がなってからまだ少ししか経っていないのにもうこんなに闇夜に包まれてしまった。
今は参勤交代をして城下町に居座せてもらっている。
そんな中、最近話題になっているのは狐の四人組。こんな闇夜の中を狐の仮面を付けた四人組がうろうろとさ迷っているらしい。
その四人組の別の名を闇夜の大罪人。狙われるのは宝石店などで、宝石を狙っている。
その狙われている宝石の共通点は神の瞳と言われる五つの宝玉。
それぞれ雷神、風神、火神、水神、そして地神。
その五代神が守っていたと言われる宝玉。
その宝玉は息を呑むほど美しいと言われる。そんな宝玉が見つかったのはひと月、ふた月前だ。
今のところ雷神の瞳が盗まれた。
風窓に近づいて冊子に肘をつけ頬杖をつく。
「四人組、か...丁度、天主と使いの人たちをいれて四人か。
...ってそんなわけないか。」
久々に思い返した夢物語。夢の話なのにはっきりと覚えている。
すぐそこにあった椅子に腰をかける。随分と暇だ。夕餉はまだ出来ていないしと、ぼーっと星空を眺める。
吹き抜けから冷たい風が頬を撫でる。少し寒いなと思い閉めようと手を伸ばした時だった。
ぱしっと吹き抜けの外から手を掴まれる。
「うわっ！？」
「騒ぐな」
目の前にいたのは狐のお面を付けた人。ここは三階の部屋だ、どうやってきたのだろう。
すると僕の手を掴みながら、違う方の手でお面を外した。
そしてそこに映る顔は見覚えのある顔だった。
「迎えに来た。」
「九尾の...」
「ああ、名前教えてなかったな。山田涼介。ほら、いくぞ」
状況が飲み込めず開いた口が塞がらない。そしてぐいぐいと腕を引かれる。
「ま、待ってください！ここは三階で...」
「平気だ、来い。」
「でも...」
「使いも待ってる。」
より強く腕を引かれ吹き抜けから身を乗り出す。
すると襖の向こうから使いのものが声をかけてきた。夕餉の知らせに来たのであろう。
誰かと話しているのがばれたのか問いかけられる。
「侑李さまー誰かいらっしゃるのですか？」
すーっと開かれる襖。
こんな状況を見られてしまい、使いのものも驚いたのか悲鳴をあげた。
「侑李さま！？その方はあの大罪人のっ...」
「大罪人！？」
「どうかしたのか！」
遠くからそう大きな声が聞こえた。
どたどたと廊下を駆けて、こちらに向かってくる音が聞こえる。
今の悲鳴で人を集めてしまった。
「ﾁｯ...余計なことしやがって」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちあき(プロフ) - みたらしさん» ありがとうございます(；▽；)そう言ってもらえて嬉しいです！頑張ります!! (2017年1月19日 17時) (
レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし - この作品大好きです。これからも更新楽しみにしてます^^ (2017年1月19日 2時) (レス) id: 9dd0152da4 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ふうさん» ありがとうございます！ 変更せずに、考えた案を練りながらまた更新しようと思います...!お騒がせさせてしまいすみません！ (2017年1月18日 20時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - AI やまちね loveさん» わざわざありがとうございます...!!また再び更新しようと思います！迷惑かけちゃって申し訳ないです... (2017年1月18日 20時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - 【恐怖の美術館】楽しく読ませて頂いていました。今作も展開を楽しみにしております。お話変更という事ですが、されてもいいと思います。まだまだ序盤でしょうし、変えても良いかと思われます。更新楽しみにしております〜。 (2017年1月18日 19時) (レス) id: 528772c314 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちあき | 作成日時：2017年1月15日 14時
