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第4章−1− ページ17

視界がぼやける。遠くから誰かの声が聞こえた。
何度か瞬きすると、目の前に映る女の顔。
彼女と目が合った瞬間、その人は驚いた顔で誰かに声をかけた。

どたどたと慌ただしく廊下を駆ける音。
襖が勢いよく開いた音がしたと思えば、聞き覚えのある声が僕の名前を呼んだ。


「侑李っ!!」


その声をたどれば、息を荒くした父。そして僕を見た瞬間目を丸くして驚いたおじい様。

そして僕の方に駆け寄りしゃがんでは頭をその大きな手で撫でられた。


「よかった......よかった......」

「一時はどうなるかと思ったぞ...体調は大丈夫か?無理はせんでも大丈夫じゃよ」

「僕、は......」

「崖から落ちたんだ...だが、裕翔という方がなんとか湖から連れ出してくれての...侑李は一日中目を覚まさなくて本当に......本当に......っ」


そういって布団に顔を埋めて泣き崩れる父。そんな姿を見て、本当に迷惑をかけてしまったんだんだという反省と、父を悲しませてしまったという心苦しい思い。

そして、初めて見たおじい様の静かに怒る姿。


「侑李。森には行くなと言っただろう。」

「本当にごめんなさい......反省しています。」

「今後あの森に近づいてはならん。」

「はい...」


おじい様と父は端午の節句を取りまとめるためと、まだ仕事があるため行ってしまった。

こう考えると夢かもしれない。
一日中ここに寝ていたんだ。奇妙な出来事だった。二人の神様と神の使いに出会い、おかしな能力を見せられたり、しまいには存在を隠すなどと意味不明な言葉。

寝ている間に壮大な夢物語を見ていたようだ。

すーっと襖が開いた。
そこには酷く申し訳なさそうな顔をした裕翔がいた。


「知念...!ごめんっ、俺が...俺が悪いんだよ......」

「裕翔...」


ぼろぼろと涙を溢れさせる彼。
裕翔はごめんね、俺が泣いちゃ元も子もないのに...と言いながら顔を伏せる。
心の優しい人だ。


「大丈夫だよ、ほら。」


この通り、と腕を広げ笑顔を作る。
だがやはりその作り笑いは見破られてしまうようだ。


「無理しないで?」

「ううん、身体は全然痛くないし...あ、裕翔は端午の節句いかないの?」

「本番はたそがれどきだからね、まだ入相がなったばかりだしね。知念がたそがれまでに体調優れたら一緒にいこう」


にこりと告げる裕翔。その言葉にうんとうなづいた。

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ちあき(プロフ) - みたらしさん» ありがとうございます(;▽;)そう言ってもらえて嬉しいです!頑張ります!! (2017年1月19日 17時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし - この作品大好きです。これからも更新楽しみにしてます^^ (2017年1月19日 2時) (レス) id: 9dd0152da4 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ふうさん» ありがとうございます! 変更せずに、考えた案を練りながらまた更新しようと思います...!お騒がせさせてしまいすみません! (2017年1月18日 20時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - AI やまちね loveさん» わざわざありがとうございます...!!また再び更新しようと思います!迷惑かけちゃって申し訳ないです... (2017年1月18日 20時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - 【恐怖の美術館】楽しく読ませて頂いていました。今作も展開を楽しみにしております。お話変更という事ですが、されてもいいと思います。まだまだ序盤でしょうし、変えても良いかと思われます。更新楽しみにしております〜。 (2017年1月18日 19時) (レス) id: 528772c314 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちあき | 作成日時:2017年1月15日 14時

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