お母さんが30人 ページ33
「あ、のっ、風街さん……」
「なぁに、緑谷くん」
顔に困惑を張り付けてやっと話しかけてきた緑谷くん。
すぐ話しかけてくると思っていたが……。
ま、いっか。
「……いつから、ヴィランだったんですか」
「君と会う前からだよ」
「僕のこと、嫌いだったんですか。だからヒーロー科を受験することを応援してくれたんですか」
目が、若干潤みそうなとこを見て、私は見なきゃよかったと後悔する。
さっきまであんなに騒いでいたクラスの子も、静まり返って。
興味なさげに窓の外を見ていた紅白頭の少年だって、聞き耳をたてる。
あの爆発少年も今は静かにこちらを睨んで話を聞いている。
飯田くんも、お茶子ちゃんも、皆、聞き耳をたてる。
「嫌いじゃないよ、＿＿＿＿＿でも、好きでもない」
そんな甘えた感情を持ったら足元をいつかすくわれるから。
「ヒーローになるの、いいじゃん。私は格好良いと思うよ」
だから、応援したんだよ。
「別に、君を殺したいわけでもないさ」
君が敵対しなければだけど。
「出会ったときだって、仕組んだわけでもないし」
偶然、だったよ。
「USJで会う前だって」
君がいるなんて知らなかった。
「ヒーローになりたいんでしょ、頑張りなよ」
君がヒーローを目指すように、私はしーちゃんを守らないといけないんだ。
「ヴィランだけど、応援してるのは事実だ」
いくら敵対関係だとしても、君の心は強いから。
「ただ、私にとって守りたいのは息子だったんだよ」
君が倒したい敵は私の息子。
でも私は母親として守らないといけない。
しーちゃんは緑谷くんの大好きなオールマイトを殺すべく活動している。
なら、敵対関係は壊れることはないかもね。
少し、胸にチクリと針が刺さった気がした。
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中村千尋(プロフ) - 続き見たいです! (2018年8月27日 14時) (
レス) id: a991a170a0 (このIDを非表示/違反報告)
緋翠(プロフ) - 候補2でお願いします。更新頑張ってください! (2018年1月29日 18時) (レス) id: 6e04ae408f (このIDを非表示/違反報告)
ロット(プロフ) - 轟君で!! (2018年1月9日 22時) (レス) id: a2aee53916 (このIDを非表示/違反報告)
紫音 - ヴィラン、良いですよね！周りにヴィラン推しがいないので嬉しいです←更新待ってます！あ、候補2のお話を読みたいです！ (2018年1月5日 14時) (レス) id: 01fea89e4b (このIDを非表示/違反報告)
湊銀(プロフ) - 候補2がいいです！！更新頑張ってください！！ (2018年1月4日 3時) (レス) id: 29f5c1bd3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ところてん | 作成日時：2017年8月30日 18時
