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「うっ…ああああああっ、！！！！？！？」
暗い森に、大きな悲鳴が一つ響いた。
それはほんの少し前に、イレイザーヘッドの命により生徒たちに戦闘許可が出たときのこと。
誰の悲鳴かも分からず、悲鳴の聞こえる範囲にいたB組の数人が助けに向かおうとする。
泡瀬「……やっべえよ、今の、もしかしたらAの声かもしれねえ」
八百万「…向かいましょう、泡瀬さん。」
もしかしたらヴィランと交戦しているのかも、と悲鳴の聞こえた方向へ二人が足を進めた。
泡瀬「悲鳴聞こえたのって、こっちだったよな…？」
八百万「ええ、おそらくこの辺りだったと思いますが……」
「あぶない、二人ともにげてっ…」
どこかから弱弱しい声が聞こえてきた。
その声の主は、泡瀬の予想通り花宮Aのものだった。
泡瀬「ど、どうしたんだよその傷ッ、」
八百万「きゃあッ……！？」
花宮「ヤオモモちゃんっ！？意識が…っ！」
背後から、どんどん近づいてくる気配だけを感じている。
今の攻撃で、ヤオモモちゃんは気を失ったようだった
花宮「洋くん、一回で全部理解してほしいんだ。きいて。」
泡瀬「な、にを…」
花宮「今、私の個性でバリケードを作ってなんとかせき止めてるの、ヴィランを。
けど破られるのも時間の問題、私はバリケード作りながら逃げるから、洋くんはヤオモモちゃんを溶接して逃げて……っ」
ヤオモモちゃんはそのヴィランが繰り出した遠距離系の攻撃で頭を強く打ち付けたようだった。
泡瀬「お前のこと置いていけるわけねえだろ！！！」
花宮「ほんとに、おねがいだからっ……
洋くんがヤオモモちゃんに肩貸せなきゃ、ここでみんな死んじゃう。」
個性でせき止めているからこそ、どのぐらいで足止めが破られるのかが何となくわかる。
もう数秒ももたない、こうして話している時間ももったいないのだ。
花宮「おねがい、早く行って、もう破られるから…ッ！！」
泡瀬「だめだ、俺だってヒーロー目指してんだよ、応戦…」
花宮「目の前のヤオモモちゃんを絶対助けて、先生たち呼んできてっ！！！！
早く行け、洋雪っ！！！！」
ドン、洋雪くんが個性でヤオモモちゃんをくっつけたのを確認し、思い切り背中を押した。
力をこっちに振り絞ったせいでバリケードが破られた。
また次々に作らないと…
花宮「絶対、負けるか……こんな変なやつになんてッ！」
不思議なものだ。守るものがあると、もう限界だってときも辛いときもまだ頑張れる。
辛いときこそ笑え、フローリー。
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作者名：sun x他1人 | 作成日時：2023年10月5日 2時
