素直になれよ、ファントムシーフ！２ (ページ8)

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翌日、私の個性訓練は二日目とは違うメニューになっていた。

机の上にどさっと積まれた書籍、全部植物図鑑だった。
砂藤くん、ヤオモモちゃんの隣で本を読み、背中から違う植物をずっと生成しながら図鑑の植物を腕から生成する。

これがまた難しいのだ。

今日もまた、昨日と同じように尾白くんたちと特訓かと思ったら、相澤先生に呼び止められたのだ。

相澤「今日の訓練内容だが、これをやってくれ。
リカバリーガールからも以前聞いたが、お前は痛みに鈍感なところがある。
生徒から相談が寄せられたそうだ、確かに昨日のお前は危うかったからな。」

花宮「相談ってもしかして…」

相澤「植物の生成は一瞬たりとも絶やすな、下手したら昨日のよりきついぞ。」

花宮「は、はぁい……」

と、いうのが何時間か前のこと、いつもより集中して訓練に取り組んでいる最中、ピクシーボブの陽気な声が隣から聞こえてきた。

「それよりみんな！今日の晩はねぇ、クラス対抗肝試し決行するよ！
しっかり鍛錬したあとは楽しいことがある！ザ・アメとムチ」

それはいいことを聞いた、絶対に絶叫させてやるぞと息巻き、その日は結構合理的な訓練ができたと思う。
昨日のようにカレーを作り、すっかり暗くなってから肝試しの説明を聞く。

ピクシーボブ「さて腹もふくれた！皿も洗った！お次は……」

「肝を試す時間だぁ～～～！！」

相澤「その前に大変心苦しいが、補習連中はこれから俺と補習授業だ」

思ったより日中の訓練がおろそかになっていたために、こっちの時間を削るらしい。
先生に引きずられていってしまった。

ピクシーボブ「はい、というわけで脅かす側先攻はB組。
A組は二人一組で三分おきに出発。ルートの真ん中に置いたお札があるから、それをもって帰ること」

花宮「意外にルールは単純だね、それなら楽しめそ」

回原「うわそっか、花宮さん怖いのいけるんだもんね」

花宮「そだよ、回原くんたちの脅かしも楽しみにしてんね！」

それぞれB組の人たちが持ち場についたらしいので、私たちもくじを引く。
私は緑谷くんとペア、八組目となった。

最後だし、のんびり待っていたんだけど緑谷くんと二人っきりで話すのはなんだかんだこれが初めてかもしれない。

緑谷「ねえ、花宮さん。」

花宮「なあに、緑谷くん」

緑谷「花宮さんって、物間くんととっても仲がいいよね」

曇りのひとつもない笑顔で、そんなことを言ってきた。
幸いなのは周りの人たちは順番待ちで、私たち二人だけの会話だってことだ。