素直になれよ、ファントムシーフ！２ (ページ7)

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ピクシーボブ「さァ昨日言ったね！世話焼くのは今日だけって」

ラグドール「己で食う飯くらい己で作れ！カレー！！」

訓練が終わって、見渡す限りくたくた、へっとへとな私たち。
それでもご飯は自分で作らなくてはいけないという。

「「「イエッサー……」」」

ラグドール「アハハハ！全員全身ぶっちぶち！だからって雑なネコマンマは作っちゃだめね！」

飯田「確かに！
災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環！
さすが雄英無駄がない！世界一旨いカレーを作ろう！！みんな！」

花宮「りょーりは、まかせろ……」

麗日「とびきりおいしいの作らなきゃ気がすまんね…」

横にいたヘロヘロのお茶子ちゃんと話して、お互いのボロボロ具合が面白くって顔を合わせて笑った。
おかげで元気が出てきたや。

「こっち火ぃちょーだーい！！」
「野菜切れたらもう鍋突っ込んじゃっていーよ」

色んなところから声が聞こえてきて、心地のよい空間に溢れてくる疲れ。
私の担当している鍋はもう火にかけて、あとは待ってルーをいれるだけ。

私は近くの石段に腰掛けて、みんなの様子を見ていた。

「お疲れかい」

花宮「あら、そっちこそ」

物間「傷は？」

花宮「残ってる？」

物間「大分良くなってるんじゃないか、見せて」

顔面についた傷や腕を凝視していた。見たからと言って変わるものでもないだろうけど。

花宮「……物間くんは、やさしーね。やっぱり」

誰がなんと言おうと、頬を撫でる手つきからひしひしと伝わってくるんだよな。

物間「じゃあ、泡瀬とどっちがいい？」

ニコニコした顔で悪戯っぽく聞いてきた。
私にとってはちょっと難しい質問だった、どっちも優しいもんね。

花宮「素直になってくれたら、物間くんの方が優しいかもね？」

少し離れた場所から私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
そろそろ戻らないと、と告げてクラスメイトの方へ戻ろうとしたら手を引かれた。

花宮「物間くん、手を放してもらわないと爆豪くんにそろそろ見つかっちゃうしガチ怒られちゃうんよ。」

物間「うん、わかってる。わかってるよ……」

花宮「……なんかあった？」

なんとなく、その表情には不安の気持ちが混ざっているように見えた。

物間「あまり、無理をしないでほしい。」

それ以上彼の口から何かが語られることはなく、私よりも先にクラスの方へと戻っていってしまった。
そして私は案の定、爆豪くんにぶち切れられてしまった。