素直になれよ、ファントムシーフ！２ (ページ30)

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ざわざわした空気の中、コスチュームに着替えて集合場所へと向かった。

なんというかそれはもう、ホントに人がいっぱいいて困ったもんだ。
運よく今いる位置が正面にあるモニターの見える位置だったからよかったものの、また食堂でのときのようになったらと想像するだけで肝が冷えてしまう。

「えー、ではアレ…仮免のやつをやります。」

するとどこからかスーツを着た男性が登場しては一段上ったところから話始めた。

「あー僕ヒーロー公安委員会の目良です。好きな睡眠はノンレム睡眠、よろしく。
仕事が忙しくてろくに寝れない…人手が足りてない！眠たい！そんな心情の中ご説明させていただきます」

疲れをまるで隠さない様子のメラさんとい人は、淡々と説明をつづけた。

「仮免のヤツの内容ですが、ずばり、この場にいる受験者1540人、一斉に勝ち抜けの演習を行ってもらいます。」

ここで試験の内容が軽く発表されてなんとなく私の周りもざわめいているような気がした。
けれどメラさんはそんなものお構いなしに言葉をつづける。

「現代はヒーロー飽和社会といわれ、ステイン逮捕以降、ヒーローの在り方に疑問を呈する向きも少なくありません。
まァ、一個人としては動機がどうであれ、命がけで人助けしている人間に何も求めるな、は現代社会において無理な話だともうワケですが」

そんな話を聞き流しそうになりながら、彼の言いたいことからおおよその試験内容を予測した。

キーワードはおそらく”一斉に勝ち抜けの演習”と”迅速に”というところ。

予想をしていたものと全く同じ内容ではなかったものの、ルールはいたってシンプルなものだった。

花宮「(雄英は他の高校と違ってもう既に戦い方が割れている人がほとんど、対大勢にならないように距離を取って隙をついていこう…としたら、フィールドは……？)」

そんな考えに至った時、メラさんの”展開後ターゲットとボール配るんで”なんて言葉が聞こえてきた。

花宮「展開…？」

ふと視線をあげたとき、私たちが今までいた部屋の天井だったものや壁だったものが文字通りに展開してUSJのような設備があらわれてきたのだ。

「各々苦手な地形、好きな地形、あると思います。
自分を活かして頑張ってください。」

優しいのか厳しいのかもわからないような言葉で、渡されたターゲットを自身の体に着け終えたとき、始まりを告げるブザーの音が鳴り響いたのだった。