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ガチャ
私が自分の部屋のある寮に帰ってきたのは、すっかり空が暗くなってからだった。
どうやら三奈ちゃんたち発案のお部屋披露大会は既に終わっていたみたいで、共同スペースに何人かが残っているようだった、
瀬呂「あれ、花宮どこ行ってたんだ？」
花宮「B組のとこまで、ちょっと」
上鳴「B組〜？それまたどーして」
葉隠「あれだよね、あの」
花宮「幼馴染のっ！！！洋雪くんのとこ行ってたの！」
ちょっとむくれる透ちゃん、不思議そうな顔をしていた瀬呂くんと上鳴くん。
これ以上ボロを出さないうちに自室に戻って風呂をすませよう。
芦戸「あれーー！A、今風呂？」
花宮「あー、うん。そう」
はい、終わった。ごめんね物間くん先に心の中で謝っとくね。
風呂に向かう途中、同じく風呂に入る準備万端！という様子の三奈ちゃんとエレベーターに乗り合わせた。
あ、でも何気に二人っきりになるのは初めてかもしれない。
芦戸「彼氏？」
花宮「まあ、そんなとこで…」
ふたりっきりのお風呂は少し広く感じて。
いつもよりがつがつこないとはいえ、聞きたいことはがっつり聞かれているのであきらめて白状する。だってね、この関係がもう曖昧じゃなくなって、今ウソついたら彼に申し訳ないもん。
芦戸「そっか、良かったね」
花宮「良かった、そう…？」
芦戸「Aはいなかったから知らないだろうけどさ、アンタがいないって泡瀬がパニくりかけたときにね」
花宮「待って洋雪くんがパニックってなに」
芦戸「まあ最後まで聞きなよ。
そん時に泡瀬を止めたのは物間だったし、捜索に出て泡瀬とAが分かれた辺りから少ない手がかりでAのことを見つけたのも物間なんだよ。」
花宮「そう、だったんだ」
芦戸「ちゃんとお礼言った？」
花宮「い、言ったよ！もちろん！！！」
話を聞いてあとから知った、私の好きな人のもっともっと格好いいところ。
いつから私のこと好きだったの？なんて野暮なことは聞かないけれど、ずっと大切にされてきたのだと感じて変な気持ちになる。
芦戸「Aのこと泣かせたらぶっ飛ばすって言っといてね！」
それは置いといて、と三奈ちゃんはいつもみたいな笑顔のまま言うもんだから、思わず三回ほど聞き返してしまった。
花宮「はぁ、まさか高校でこんな青春を送れるだなんて思ってもいなかったから、幸せのきわみ…」
湯船に深く浸かって、三奈ちゃんとゆっくり話した。
また明日から始まる訓練や勉強の日々に置いて行かれないよう、頑張らなきゃね。
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作者名：sun x他1人 | 作成日時：2023年10月5日 2時
