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それから、女子陣が私の部屋の前からいなくなったところで携帯を握り締めて外へ出た。
また今度ね、と言っていたのはきっと気のせい気のせい。
そう、その時には気付かなかったのだが、実はみんなと話していたときにはまだ通話がつながっていたのだ。
花宮「あ、あの…物間くん怒ってる？」
物間「怒っている、ということは心当たりがあるのかな？」
花宮「そういうわけじゃ、ないんだけど」
とっても不機嫌なのだ。
なんとなく想像できる理由として、何個か考えられる理由はある。
ひとつ、B組の寮に行く用事を問答無用で洋くんだといったこと。
そしてもうひとつ、物間くんが好きなのか？と聞かれたときにはっきり言わずに濁してしまったことだ。
物間「……怒ってはいないよ」
花宮「そう？なんだ、よかった！」
物間「でもいい気分はしていないからな。
泡瀬と仲がいいのは良い事であると思うけど、僕のことを蔑ろにしていい理由になんてならないんだからな？」
花宮「わかってるよ、そんなこと。」
ていうか、私たちって本当に恋人同士ということで……いいのだろうか。
物間「そうやってずっと立っているのもあれだろ、座ったら？」
花宮「へ！あ、うん！そうだよね、はは」
物間「何だよ」
花宮「私、って…物間くんと付き合ってんだよね、ウソとかどっきりとかじゃないよね」
だんだん小さくなっていく語尾にはお構いなしに、彼は呆れた顔をした。
物間「君は、僕が付き合ってもいない女性とキスをするような奴だと思ってるのかい？」
不機嫌な色はなくなり、その代わりに呆れた様子の彼は、そんなことを言った。
花宮「見えないよ。
けど、ちゃんとそういうように言ってないな、と思って…」
視線をあげてみれば、そこには真っ赤な顔をした物間くんの姿があった。
恥ずかしいからなのか目は合わなくて、参ったな…なんて漏らしている
物間「悪かったよ、ちゃんと言ってなかったね。」
花宮「そんな、私こそ…！」
物間「僕の恋人になってくれないか。」
花宮「う、うん…こちらこそ、なってほしいです」
今度は私が恥ずかしくなって、その視線を下にさげる。
ちゃんと顔見なきゃ、っていうのは頭の中でも分かっているんだけど、本当に恥ずかしさというか嬉しさというか、色々な気持ちがこみあげてきて彼の顔を見れないのだ。
物間「恥ずかしがり屋だね、君は」
花宮「も、物間くんだって。」
今の私は、そうやって言い返すことだけでも精いっぱいだった。
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作者名：sun x他1人 | 作成日時：2023年10月5日 2時
