素直になれよ、ファントムシーフ！２ (ページ21)

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花宮「おはよ！」

胸の中には若干のモヤモヤが残っていたけれど、そんなことはお構いなしに明日はやってくる。

泡瀬「もうすっかり元気そうだな、良かったよ」

花宮「みんながお見舞い来てくれたし、元気マックス！！」

泡瀬「そっか」

花宮「にしても、今日から寮生活かぁ……」

緊張するね、って彼に言ってみれば同じように緊張を含んだ顔で同意してくれた。

泡瀬「お、回原じゃん！」

花宮「ホントだ、おはよー！」

回原「おお！はよ！！」

珍しい組み合わせで学校へと向かった。
どうやら寮というのはクラスごとらしくて、二人とはここでお別れ。

雄英高校敷地内、校舎から徒歩五分・築三日の学生寮。
その名も、ハイツアライアンス。

花宮「お！上鳴くんに瀬呂くん発見！おはよ！」

瀬呂「おーもうすっかり元気だな！」

上鳴「花宮ジャン、おはよ！」

寮の正面が見えて、想像よりも大きい施設にごくりと唾をのんだ。

相澤「とりあえず1年A組、無事にまた集まれて何よりだ。」

最近は会見やら家庭訪問やらでやたらと綺麗な姿を見ていたから、いつものような暗い色の服に捕縛布を巻いた姿になんとなく安心を覚えた。

蛙吹「無事集まれたのは先生もよ、会見を見たときはいなくなってしまうのかと思って悲しかったの」

相澤「俺もびっくりさ、まぁ、色々あんだろうよ」

一瞬何かを考える素振りを見せた後先生はまた口を開いた。

相澤「さて、これから寮について軽く説明するが、その前に一つ、と面は合宿で取る予定だった仮免取得に向けて動いていく。
大事な話だ、いいか。」

先生はそれぞれ名指しで切島くん、ヤオモモちゃん、轟くん、緑谷くん、飯田くんのことを指名した。

相澤「この5人はあの晩、あの場所へ爆豪救出へ赴いた。」

「え、え”…っ？！」

驚いて回りを見渡すと、なんとなく気まずそうに目を逸らすクラスメイトたち。
どうやらそれを知らなかったのは当事者である爆豪くんに、当時入院していた耳郎ちゃんに透ちゃんと私だけだったようだ。

相澤「その様子だと他のみんなは行く素振りを把握してたワケだ。
色々棚上げしたうえで言わせてもらうよ、オールマイトの引退が無けりゃ俺は爆豪・耳郎・葉隠・花宮以外全員除籍処分にしてる。
行った5人はもちろん、把握しながら止められなかった12人も理由はどうあれ俺たちの信頼を裏切ったことには変わりない。

正規の手続きを踏み正規の活躍をして信頼を取り戻してくれるとありがたい。

以上、さっ、中に入るぞ元気にいこう」

どよんとした空気の中、元気になんてなれるはずもなくみんなは俯いていた。