素直になれよ、ファントムシーフ！２ (ページ3)

今日:24 hit、昨日:24 hit、合計:7,517 hit

53 ページ3

今日は一学期の最終日、講堂で終業式が行われていた。

少し長い校長先生の話を聞いてそのままその日は解散、ついに向かうは林間合宿だ。

入学式の個性把握テストに戦闘訓練にUSJへのヴィラン連合の襲撃。
体育祭、職場体験、そして期末テスト。

あんまりにも濃密だった雄英高校の前期課程が終わって夏休みが始まる

まあ、だからといって気を抜く暇なんてものはどこにもない。

葉隠「AちゃんAちゃん！！
夏休み、A組女子でプール行こ！」

花宮「プール？いいけど、どこのプール？」

透ちゃんの話を聞いてみれば、学校のプールを借りて体を動かすことができるらしい。
二つ返事でオーケーして今日はその日、なんとなんとクラスの全員が集まった。

うちのクラスは仲がいいなあとか、準備運動をしながらそんなことを考えていると、男子たちの方が一段と騒がしくなった。

飯田「みんな！男子全員で誰が50mを一番早く泳げるか競争しないか？」

飯田くんのその一声で始まったA組男子対抗戦は、もはや水泳競技と呼べるものではなかった。
爆豪くんに飯田くん、青山くんなんかは水に触れてすらいなくて、それがまた面白かった。

その対抗レースの結果は意外にも決着がつかなかった。
予選を勝ち抜いた緑谷・爆豪・轟の三名がスタートを切った途端、三人とも水に落ちたのだ。

上鳴「なんだ！？」

瀬呂「個性が消えた！？」

相澤「17時、プールの使用時間はたったいま終わった。早く家に帰れ。」

上鳴「そんな先生！」

瀬呂「せっかくいいとこなのに！」

相澤「なんか言ったか…？」

「「「何でもありません！！！」」」

結局、決着がつかないまま時間だけが経過していった。

芦戸「Aってさぁ」

花宮「んー？」

駅が同じ方向の三奈ちゃん、お茶子ちゃんと一緒に帰っていると、三奈ちゃんが真面目な顔をして口を開いた。

芦戸「身長低いわりに発育が…」

花宮「ちょ、え、それ今いうことではなくない…？！
ねえお茶子ちゃん頷いてないで止めてよ」

麗日「いや、ウチもちょこっと思っとったよ」

花宮「ウソじゃん」

してもしなくても変わらない、どうでもいいようなそんな話をしながら帰る時間もまた楽しくって、家に帰るだけなのにか軽くスキップしそうになったりしていて。

花宮「ていうか、もう明日から林間合宿はじまんだね…」

芦戸「うぐ、あんまし聞きたくない……」

麗日「うちらならきっと大丈夫さ！
みんなで一緒にがんばろ！」

そうして、私たちの、この世界の運命を大きく変える歯車が回りだす。