70 ページ20
相澤「大変勝手なお願いだとは重々承知しております。
ですがどうか今一度任せてはいただけないでしょうか。必ずAさんを立派なヒーローに……」
花宮「せ、先生……」
普段とは違う姿の相澤先生、透ちゃんは相澤先生と一緒にオールマイトが来たって言ってたけど家に来たのは担任一人だった。
花宮父「先生のおっしゃることは分かります。
ですが今回の林間合宿を襲撃されたせいで、朝元気に家を出て行った娘と、次に会うのが病院のベッドの上だなんて……考えもしませんでした。」
相澤「……」
花宮「(今までこういう話をしたことなかったけど、そんな風に思ってたんだ)」
相澤「返す言葉もありません。
しかし、このような事態が起こったからこそこれまでの問題が浮き彫りになり、我々教師陣は…」
花宮父「あ、いえいえ。頭はあげてください、続きがあって」
父が言葉に詰まって、とうとう雲行きが怪しくなってしまったかと思い始めたそんなとき、父が先生の話を遮り、続きを話し始めた。
「実はですね、この手紙が届いた際に妻ともよく話し合いまして、結論からいうと全寮制には賛成ですし、娘のことをお願いするつもりでいました。
娘が入寮すれば私は妻の方へ戻れますし、娘も雄英に入学して色々学んでいる最中だと思いますからね。
なので、本日はその旨をお伝えするのと同時に先生の出方を少し伺おうかと…少し上から目線な物言いになってしまってあれですね……」
相澤「いえ…娘さんのことは我々が必ず立派な、一人前のヒーローにすると約束します。」
先生はホッとした様子でそんな言葉を残して、次の家へと向かっていった。
先生が帰ったあとの家の中はいつもより静かで、なんだか変に緊張してしまった。
花宮「っていうか、お母さんと話してたんなら私にも教えてよね。」
「何でだよ、いいだろ別に。父さんたちだってAみたいに二人の時間が必要なんだよ……」
花宮「まあ、そっか…お母さんなんて言って、て、ちょっと待って私みたいにってなに」
「そのまんまだって、見舞いに来てくれてた美形の彼はどうせ彼氏だろ？」
花宮「び、美形だけじゃなくて他の特徴も…」
「洋雪と一緒に来てた」
花宮「……あってる」
父は得意げに笑っていた、娘のことだからな、なんて。
「それに、母さんの顔もそろそろちゃんと見たいしな。
Aが寮生活になるなら父さんも新潟に戻れるし、洋雪もいるからな。」
花宮「そうだったんだ。」
「っていうのが母さんの意見だ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sun x他1人 | 作成日時：2023年10月5日 2時
