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相澤「爆豪勝己の粗暴な行動については、教育者である私の不徳の致すところです。
ただ、体育祭でのそれらは彼の理想の高さに起因しています。
誰よりもトップヒーローを追い求めもがいてる、あれを見て隙ととらえたのなら、ヴィランは浅はかであると私は考えております。」
目つきはいつもの何倍も何倍も怖いまんまだった。
先生がこんな表に立って記者会見で質疑応答をして、頭を下げるなんてこと、全く考えられなかった。
「根拠になっておりませんが？
感情の問題ではなく具体策があるのかと伺っております。」
花宮「はぁぁああ！？何！？何なの！！
具体策があったとて、ヴィランが見てるようなこんな会見でいう訳なくない！？！？」
物間「こら、落ち着け」
花宮「おちついてますよ私は、いたって冷静。」
物間「こっち見て。」
花宮「んむ」
片手で頬をつかまれ、まっすぐ彼の方を向かされる。
いつものような色素の薄い瞳と、どこか興味がなさそうなそんな表情。
物間「君が怒っても、何もできることはないんだよ」
花宮「分かってるよ…」
物間「爆豪のことはプロに任せよう。大丈夫さ」
花宮「う、ん……」
物間「君には笑顔が似合うよ。」
貼り付けたものでも、人をばかにするような笑顔でもなく、心からの優しい笑顔だった。
それだけで、その言葉が彼の本心なんだということが分かる。
花宮「な、名前で呼んで。」
これが精いっぱいの照れ隠し、目を合わせているままのこの状態も恥ずかしくて、私の頬をつかむ手を離そうと上から触れた。
物間「A？
どうしたのかな、顔真っ赤だけど？？？」
花宮「っ、物間くんがかっこよすぎるせいだし」
物間「まあ、ボクがかっこいいというのは置いといて、そんなに真っ赤でこの先持つのかな？」
ダメだ、この表情は知っているぞ。
拳道さんが手刀して止めるやつ………！
花宮「ひゃ」
物間「すると思ったのかい？欲しがりだねえ」
花宮「だって、好きだから…ッ、」
テレビの内容なんてもう全く入ってこなかった。
記者会見は既に終わり、定時のニュースが流れているのが思考の奥で聞こえてきた。
で、今視界にはドアップの物間くんの顔。
花宮「大好きだって、やっとわかったんだもん。
欲しがりじゃ、ダメなの……？」
物間「……君ねえ。」
花宮「いで！！」
結局あんなことを言っていたのにデコピンされてしまった。
煽るもんじゃない、なんて特大ブーメランの言葉を残して、電話が来たからと病室を離れていった。
物間「(あっっっぶねぇ………)」
けれど、私以上に彼が焦っていたことなど私には知る由もなかった。
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作者名：sun x他1人 | 作成日時：2023年10月5日 2時
