三百十九話 ページ24
今度は一之瀬と土門だ。この頃、Aと妙に仲の良い二人。
「あれ、一之瀬くん。秋ちゃんのおにぎりはあっちだけど……」
「秋のは美味しいってわかってるからね。最後に食べるつもりさ」
「えっ、それってどういう意味……？」
意地悪、なんて笑いながらAがふたりにおにぎりを差し出している。風丸は不機嫌そうに顔を顰めた。ああやっぱりイライラする。
マネージャーそれぞれの前に、各々が握ったおにぎりが置かれている。それは選手たちにも一目でわかった。だから鬼道はAか音無のところにしか向かわないし、秋のところは一番美味しそうに見えるから無くなる速さが尋常じゃない。逆に夏未のところは余り気味だったり……、と様々だ。だからこそ余計に風丸は苛立っているのかもしれない。
「風丸くん」
険しい顔をしている最中、ふと名前を呼ばれて風丸は振り返った。彼の名前を呼んだ張本人、秋は風丸を見つめて手招きをしている。何か用だろうか、風丸は首を傾げて秋の元へ歩み寄る。さらさらと青い髪が風に揺れた。
「どうした木野、俺に何か用か？」
「風丸くん、これなんだけど……」
ひょい、と秋が差し出したのはおにぎりだった。ラップに包まれたものが二つ、秋の掌に載せられている。風丸はますます首を傾げた。秋の行動が不可解だったからだ。風丸はおにぎりを食べていないわけでもないし、特に秋と仲が良いわけではない。もちろんAのことを任せた人物であるという点では秋のことを信用しているが、それ以上でも以下でもなかった。
「円堂に渡したら喜ぶんじゃないか？」
単純に秋が握ったおにぎりだと思った風丸は素直な言葉を口にした。途端に秋は顔を真っ赤にしてそうじゃないの！ と首を振った。そしてわざとらしく咳払いをすると風丸をじっと見つめる。
「これ、Aちゃんが握ったおにぎりなんだけど……、風丸くん食べない？」
「A、が？」
ぴくりと風丸の眉がその名前に反応した。風丸はちらりとAの方へと視線を向ける。Aはこちらに気が付いていないようで、楽しそうに土門らと談笑していた。風丸は秋に視線を戻す。そして静かに首を振った。
「悪いが受け取れない。Aが作ったものは鬼道に……」
「Aちゃんが、風丸くんに食べてほしいんだって言ってたの」
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麻衣蘭 - すみません。やすけさん宛です。 (2019年1月4日 8時) (
レス) id: 396c72dd9d (このIDを非表示/違反報告)
麻衣蘭 - さやさん» 完結おめでとうございます！お疲れさまでした。次回も楽しみにしています。ネットが悪く、なかなか読めなく申し訳ないです。これからも頑張って下さい。また覗きに来ます！ (2019年1月3日 22時) (レス) id: 396c72dd9d (このIDを非表示/違反報告)
羅星竜(プロフ) - 前回コメントさせていただいた者です、!!完結おめでとうございますｯ、!! これを読むのが毎日の日課になってます…、(´`*) これからも更新頑張ってください、! (2018年12月31日 10時) (レス) id: 3b120ff894 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - やすけさん、完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした。ここまで読み続けてきて本当に良かったと思っています。次回作であるエイリア編も是非楽しみにしていますね…！これからも夢主ちゃんと風丸くんの行く末を見守らせて頂きます…！ (2018年12月31日 9時) (レス) id: 8fe26207ce (このIDを非表示/違反報告)
やすけ(プロフ) - 麻衣蘭さん» 麻衣蘭さん、コメントありがとうございます！毎日見てくださってるんですね、嬉しいですありがとうございます！実は今日の更新が最終回です。どうぞ最後までよろしくお願いします。 (2018年12月31日 0時) (レス) id: 2278c0528b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やすけ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/my_dreamwould
作成日時：2018年12月12日 0時
