第八十九話 ページ9
「え…、えっと…」
突然浴びせられた思いやりのない言葉に、驚いて少し後ずさる。 頭の中で、「ツッキーひどーい」とか言う黒尾様が容易に想像できた。
「はあ、めんどくさ。 …本当は夜に予定なんてないんでしょ。 自分だってあの人が危ないってわかってるくせに、なんで対処しないのさ。 もう夜久さんがいるんだから、買ってもらえばいいのに」
一体いつから私達の話が聞こえてたんだろ。 最初はそんなことを考えたが、夜久様の名前が出てきて無言で俯いた。 何、言ってるの、この人。
思わず、そのまま口を開く。 すると、月島様は呆れたような表情を浮かべて私を見た。
「…でも、私、いえ、わっちは、夜久様のことを……」
「好きじゃない。 って言いたいんデショ。 なに綺麗事言ってるの、吉原で人が買われるか買われないかに、気持ちなんて関係あるわけないじゃん」
「そ、そうはおっせえすが…」
「じゃあ、夜久さんが君の気持ちを大事にしてると思ってるの？ それならそれは間違ってるよ。 君が一言買ってほしい、って言えば、夜久さんは君が好きか嫌いかなんて関係なく君を買うよ。 結婚を申し込んだ相手を吉原にずっと置いておきたいわけないじゃん。 好きか嫌いかは買ってからみたいなとこあるよね」
笑顔で言い切られたその言葉に、私は押し黙る。 笑顔とはいっても、なんて意地の悪い、愉しそうな笑い方。
…でも、月島様の言っていることは、間違ってない、と思う。 夜久様は、私を買ったら、私を絶対に幸せにするって、そんな自信を溢れさせながら私に接してくださる。 それは、わかっていること。 だから、中途半端に「買ってほしい」なんて言えないのも事実。
だから、月島様の言っていることは、ほんの少し、私の思っていることと、違う。
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多趣味のM(プロフ) - そこで!?って叫んじゃいましたｗ続き気になります!!更新待ってます!! (2020年10月18日 15時) (
レス) id: 2c30e4e7ea (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。 - 今まで読んできた吉原の小説で一番面白い作品です！頑張って下さい！私は作者様を応援しています！ (2018年4月28日 12時) (レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
まむ(プロフ) - 何度も読み返させて貰ってます！大好きです！また更新されるのをまってます！ (2018年3月10日 14時) (レス) id: f3b21a5c27 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 最初から楽しく読ませて頂きました！とても面白く、素敵な作品に出会えて嬉しいです、！それと同時に続きがとても気になります、、もう更新される予定は無いのでしょうか？大変だと思いますが、大好きな作品ですので更新楽しみに待っています！！ (2018年1月29日 22時) (レス) id: f709374f1c (このIDを非表示/違反報告)
おばりょん(プロフ) - まだ、完結してませんよね？？これからも応援してます！ (2017年8月7日 16時) (レス) id: 571bd0a238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星月夜 | 作成日時：2017年3月26日 8時
