第八十二話 ページ2
「おし、着いた」
暫く二人で談笑をしながら歩くと、着いた場所は、水族館。
看板を眺めながら、つい、「水族館」とぽつり口に出すと、夜久様が手をふいに離し、眉を下げて私の方を見た。
「……嫌、だったか?」
そう、不安げな視線が私と交わる。 だが、私はすぐに微笑んだ。
「そんなわけござりんせん。 ずっと、来てみたかったおす。 けんど、いつも時間が無く、一人で行くのも味気ないと思いんして、ずっとずっと来れなくて」
だから、すごく嬉しいんす。
決して建前などではなく、本当のこと。 随分前にこの街にもとうとう水族館ができたのは知っていた。 その上、その水族館の目玉は今流行りのクラゲや、ナイトアクアリウムだというのにも、とても興味をそそられていたのだ。 だから、本当に来てみたかった。
すると、夜久様は泣きそうなくらい嬉しそうに目を見開いて、顔を真っ赤にした。
「え、え、あ、ごめんなんし、夜久様」
「ちがう、ちげえんだ、その、そんな嬉しそうな顔されると、俺も嬉しくて。 それに、A、…可愛すぎて」
「あ、え、あの……」
「も、もう、入るか!」
お互いに顔を真っ赤にしあって、まごまごとしていると埒が明かないので、夜久様が強引に私の手を引いて水族館の中へと入っていった。
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多趣味のM(プロフ) - そこで!?って叫んじゃいましたw続き気になります!!更新待ってます!! (2020年10月18日 15時) (レス) id: 2c30e4e7ea (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。 - 今まで読んできた吉原の小説で一番面白い作品です!頑張って下さい!私は作者様を応援しています! (2018年4月28日 12時) (レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
まむ(プロフ) - 何度も読み返させて貰ってます!大好きです!また更新されるのをまってます! (2018年3月10日 14時) (レス) id: f3b21a5c27 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 最初から楽しく読ませて頂きました!とても面白く、素敵な作品に出会えて嬉しいです、!それと同時に続きがとても気になります、、もう更新される予定は無いのでしょうか?大変だと思いますが、大好きな作品ですので更新楽しみに待っています!! (2018年1月29日 22時) (レス) id: f709374f1c (このIDを非表示/違反報告)
おばりょん(プロフ) - まだ、完結してませんよね??これからも応援してます! (2017年8月7日 16時) (レス) id: 571bd0a238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星月夜 | 作成日時:2017年3月26日 8時