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第二十七話 ページ27

「じゃ、じゃあ...明日...待って、マス...」


顔はもうりんごのように真っ赤にして、
声は搾り出したかのように小さいし、何処か堅くて。

でも鮮明に聞き取れたその言葉に菅原は目を丸くする。



そして、考える前に体が動いた。




「!?、...菅原さ...」




ぎゅうっと、今度は正面から強く抱きしめる。



「そんな可愛い顔すんの反則だ...
なんかもう俺、咄嗟に体動いてこんなことしちゃうから...」


菅原も、顔は既にりんご状態。

思考回路もだんだん溶けるように鈍ってきて、
自分がもう何を言っているのかさえもあやふや。



「もう、離してください...」



そんなことを言いつつ、顔を見られるのが恥ずかしいのか、隠すように俺の胸に顔を埋めるA。



「やーだ。」


一層強く抱きしめると、
素早い心臓の鼓動が伝わってきて、俺のも早くなった気がする。





心地のいい沈黙。

あぁ、こんなのは久しぶりだ。






毎日張り詰めた緊張感の中生きている菅原。
ここにはよく来るものの完全な息抜きとまではいかない。

そんな中現れた彼女に、
なんとなく心があたたまる感覚を覚えたのだ。



どこに惹かれるのか、そんな理由なんて分からない。
分からないまま、ただ感じる。





「...」




その時、菅原はふと思い立った。





「なぁ、A。」


俺が名前を呼ぶと、やっと顔を上げたA。
まだ顔が赤い。



「...なんですか?」




バチッと目が合うと、思いっきり逸らされる。

でも、この話は逸らさないで聞い欲しいな。



「こっち向いて。」


「っ...!?」



顎をクイっと持ち上げ再び目を合わせる。









「...もし、良かったらなんだけど、」






不安げに俺を見つめてくるA。
...ちょっと、可愛すぎんべ。






息を呑んで菅原は言葉を紡ぐ。









「Aのこと、俺が買おうか。」

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作品ジャンル:アニメ
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- 黒尾鉄朗がっごいいいいい (2015年3月21日 9時) (レス) id: 6d17eb9fea (このIDを非表示/違反報告)
りっさん - 夜久さん素晴らしいです。グッジョブです!! (2015年3月18日 22時) (レス) id: 9319e60931 (このIDを非表示/違反報告)
- 第29話の三行目の黒尾様が__ってところ黒男様になっています!あ、これわざとでしたか??でも気になったので指摘してしまいました;;; (2015年3月15日 16時) (レス) id: 0fb612002d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - かよさん» 本当ですか!!?もうその一言だけで今胸がいっぱいになりました。ありがとうございます...! (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - 7時さん» 嬉しいです...!ありがとうございます!!赤葦さんかっこいいですよね(笑) な、殴られました!?さらっと言ってますが大丈夫ですか!?(笑) 更新頑張ります!! (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星月夜 | 作成日時:2015年2月26日 12時

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